イタリア留学の想い出
イタリア留学の想い出
最近の報道によりますとオペラ歌手のの岡村喬生さんが89才でお亡くなりになったこととのことです。
岡村さんは28歳の時にイタリアに留学されたとのことです。、つまり61年前、 1960年にイタリアに留学されたことになります。
おそらく岡村さんはイタリア政府の国費留学生としてイタリアに行かれたのではないでしょうか。当時はイタリアへの国費留学生の殆どはイタリア政府の国費留学制度を利用してイタリアに渡っていたのです。しかもその当時はこの国費留学制度を利用してイタリアに留学された人の殆どが音楽関係の人たちだったのです。
この記事を見た時、ふと私と同じころにイタリアに留学されたのではないかと思ったのです。
私がイタリアの国費留学生としてイタリアに行ったのは1963年、つまり東京オリンピックの一年前でした。その時の留学生は十人で、不思議なことにその年には音楽関係の人は一人だけでした。その人は声楽家の東敦子さんで、そのほかの九人は、デザイン、美術史、近世哲学史、演劇史、エトルスキ学、大理石モザイク壁画、神経生理学、地球物理学。そして私の温泉衛生学がそれぞれの専門領域でした。
当時は日本からイタリアに渡るのは費用の関係もあり、ほとんどの人が船旅でしたが、私は幸運にも当時の勤務先であった国立衛生試験所の刈米所長が海外留学を勧めていたので、航空機でいくことが出来たのです。
更に幸運だったのは、イタリア政府の国費留学生試験は原則としてイタリア語だけだったのですが、例外として理科関係からの応募者に対しては英語での試験が許されていました。ですから、私は英語での試験と面接を受けることが出来たわけです。しかも、驚いたことにその時に私の面接試験に現れた人はなんと長井長義博士の長男の長井アレキサンダ-さんだったのです。