カテゴリー「食品衛生」の記事

2015年4月 5日 (日)

中国産の毒食品で考えるべきこと

中国産の毒食品で考えるべきこと


前々から中国産の食品には、世界中でとっくに使われなくなった危険な農薬や、化学薬品が使われているので危ないと言われています。その上に、工場からの廃棄物や排水が処理されずに、川に流されているので、水道水も農業用水も土壌も、重金属やダイオキシンやらの
毒で侵されていると指摘されていのですが、中国政府は経済発展を優先して、それらを規制することをしなかったので、現在では、魚介や農産物のほとんどが、人体に害を及ぼすほどのレベルに達しているといわれている。

しかも、あちらでは真水が大変貴重なので、日本のように真水をジャブジャブ使って洗浄することはできないのです。そういう中国産の食品が日本にも大量に輸入されているのですが、値段に押されてついそのような食品を日常の中にとりいれているのが多くの日本人の生活なのです。

例えば、ウナギの蒲焼の多くは中国産なのです。中国では マラカイトグリーンといわれる毒物やら発ガン物質を大量に使ってうなぎを養殖しているのです。そのほかにも「あられ、せんべい」がほとんど中国産のコメを使っているようです。そのほかにも枝豆があります。

このように中国産の食品などにはいろいろな毒劇物が使われている可能性は極めて大なのですが、と言って日常の買い物で生産地がどこかをいちいち調べながら購入することは煩わしいはずです。このように考えるとス-パ-などでの買い物が気重になってしまいます。

もっとも、最近ではこのような中国での上記の現状が少しは改善されていると言われていますが、その実際は全くの未知数なのです。

ただここで問題なのは日常的に毎日そのような汚染されているかもしれない食品を摂ってもその影響がどのような形で、そしていつ頃になったらその影響が発現するのかと言うことは全く不明であり、全く解明されていないのです。つまり、中国産の食品に含まれているいろいろな毒物の超慢性毒性の結果は現在の医学、科学では解明されていないのです。このことはペットボトルの毒性問題と極めて類似しているのです。

最低限、想像、推定できることは中年、高年以降の人たちがそれらの毒性効果を将来的に経験する可能性と、現在の子供たちがそのような食品に毎日暴露されているときに将来起こるかもしれないそれらの毒性効果の可能性とは比較すること自体意味が無いのです。

このことは中高年以降の人たちがそのような中国産の食品を毎日食べるのと、子供たちが毎日食べるのとではそのインパクトが極端に異なることを認識すべきなのです。

2012年2月17日 (金)

中国の汚染食品製造で思うこと

中国の汚染食品製造で思うこと

最近の新聞に中国での汚染食品の実態が報告されています。その一例として、レストランの食堂の排水溝から排水を集めてそれを大きな窯で煮詰めて、浮いてくる油を掬い取って、それを食用油として売りさばいている実態が報道されていました。

このような実態を読んで思うのですが、人間は金のためなら何でもするとはいえ、ある意味ではなかなか知恵のある人のやることかもしれません。もっとも、この場合は悪知恵になりますが・・・・。中国のレストランでは油をたくさん使うので、そのようなレストランの調理場から出る排水はそれこそ油まみれの汚水になるので、ある意味ではその排水をリサイクルしていることになります。でもそのようなものが、また料理に使われるとなるとこれはまた次元が全く異なるものです。でも、そのような発想を持つこと自体はあるていどの知識があればできることです。

この記事を読んでいてふと昔のことを思い出しました。私がまだ小学校六年生の時に戦争中のこともあり、東京の学童の集団疎開がありました。私たちはその時に山梨県に集団疎開したのですが、その疎開先での出来事なのです。当時は砂糖はきわめて貴重品であり、甘いものを口にすることは極めてまれでした。ましてや、子供にとって甘いものがなかなか口に入らないことはつらいものでした。そのような状況下で、一人の学童が薬局から地元産の軟膏製剤を買ってきたのです。そして、その軟膏の容器の下から蝋燭で少しずつ加熱したのです。そうすると軟膏が熱で液化し、その上層部に薄く膜が浮かび上がるのです。それを指でなめていたのです。つまり、この軟膏の成分に蜂蜜が入っていることを彼は知っていたのです。そして液化して浮き上がってきた薄い膜はほんものの蜂蜜なのでした。なかなか頭の働く子であったわけです。この場合は純粋の蜂蜜をいとも簡単に手に入れることが出来たわけですが、それにしてもよく考えたものでした。とても現代の学童にはとても理解できないことかもしれません。

つまり、このような考えは何も特別なことではなく、窮すれば通じるのように、すこし頭を働かせれば誰でもできることですが、それにしても中国のどぶから油の発想も似たようなものですが、その油を食用にではなく機械用にでもしていれば問題がなかったのかもしれません。それにしても、中国の食糧流通事情を知ったら下手なところでは食べられないかもしれません。もっとも、知らぬが仏、のことわざもありますが・・・・。

2011年6月29日 (水)

ペットボトル飲料水、ジュースなどの毒性 (*****) 

あなたはペットボトル飲料水、ジュースなどを飲んでいますか  
皆さんはペットボトル入りの飲料水やジュースを飲んでいますか。最近ではペットボトル入りのワインまで売り出されているくらいです。しかし、このペットボトルにはそこに使われているプラスチックの可塑剤として ビスフェノールA(BPA)という化学物質が使われているのですが、この化学物質には長期的、年単位、に使用を続けるといろいろな病気を誘発する可能性があるのです。
最近の実験ではペットボトルの可塑剤として使われているbisphenol Aの毒性として、子どもの時からこのビスフェノールA(BPA)に暴露されていると成人になってから男性の性行動に影響を与える可能性があることが報告されています。つまり、シカネズミ(deer mouse)を使った実験では雄は雄らしさを失い、交尾相手を探すのに必要な空間ナビゲーション能力が劣ることを示していました。
Disruption of adult expression of sexually selected traits by developmental exposure to bisphenol A. PNAS June 27, 2011
 勿論これは動物実験で、はたして人の場合に演繹することが出来るとの判断は早急かも知れませんが、このBPAの毒性は意外と無視されているようです。それはペットボトルの使いやすさにあるからです。なにしろ私たちの日常生活にはこのペットボトルが溢れており、またその逆にペットボトル無しの日常生活は考えられないのです。つまり、あまりにの便利さに注意が向けられ、そのメガ慢性毒性の影響は表面に出てこないのです。ちょうど携帯と脳腫瘍との関連性に相似ているのかもしれません。しかし、上記の動物実験結果を人に当てはめた時、現代の男性の男らしさの消失は案外と説明が可能かも知れません。日本では男性が草食系化しているのも案外このBPAで説明がっ可能かもしれません。
もっとも、似たような研究でもBisphenol A — or BPA —はtestosterone levelsを低下することが知られています。
Environ Sci Technol. 2010 Feb 15;44(4):1458-63. doi: 10.1021/es9028292.
Urinary bisphenol A concentrations in relation to serum thyroid and reproductive hormone levels in men from an infertility clinic.
Meeker JD1, Calafat AM, Hauser R.
いずれにしても、このペットボトルからのBPAの毒性については前から指摘されていたことで別に目新しいことではないのですが、その毒性に関して上記のような補足データが発表されるようになったことは今後いろいろな関連データが発表されるようになるかも知れません。もっとも、このことに関して、アメリカのNIH, National Toxicology Program、(2008 April 27)の報告では、BPAの毒性として胎児、子どもなどに影響を与える可能性、また乳がん、前立腺がん、注意欠陥・多動性障害(Attention-Deficit・Hyperactivity Disorder )、その他の疾患の発生に関与するかも知れないとの見解をしぶしぶながら既に公表していることは意外と知られていないようです。なお、このような懸念はアメリカのFDAもようやく2010年 1月 15日に発表しているのです。
   確かに、普通のペットボトルからのBPAの溶出量は極めてメガ微量であり、「許容量以下のレベル」とされています。しかし、この許容量の概念は絶対的ではなく、あくまでも相対的な数字であることを理解すべきです。しかも、人におけるそのメガ慢性毒性については全くデータがないことが問題なのです。ちょうど、現在の福島原発事故に起因する放射能の許容範囲の設定の変動、そして今後10年後、20年後の影響と極めて似ているのです。つまり、放射能の影響は今後10年、いや 20年後、いゃもっと後になって現在の許容範囲の影響が出ることがまったく不明なのと同じ状態なのです。
つまり、たとえ許容量以下の微量であっても、その使用が年単位、たとえば十年、二十年も毎日ペットボトル水を飲んでいた場合の毒性の蓄積に関するデ-タはないのです。とくに猛暑の中で常にペットボトルを持ち歩いているときにはペットボトルの中の水温が40度近くにまで上昇する可能性があります。そうなると当然いろいろな物質がペットボトルから溶出する可能性が大きくなります。
   いずれにしても、BPAの毒性についてはいろいろと情報が交差していますが、まあ、若い人、とくに子供にはペットボトル入りの飲料水はできるだけ使わないようにすべきなのですが、現実は全くその逆で若い人ほどペットボトル入りの飲料水をがぶ飲みしているのです。現在、このぺっとボトル入りの飲み物に関しては[ペットボトル症候群」という中での糖分の影響が論じられていますが、これはある意味ではペットボトル入り飲料の亜急性毒性に該当するのかも知れません。
ちなみにオーストラリアのある町ではペットボトル入りの飲料水の販売が禁止されていますが、これは環境上の問題からで、BPAの問題には全く触れていないのですが、長期的に見たら毒性問題の先見性があったものと後になって解釈される可能性があるかも知れません。これから夏にかけて炎天下ではペットボトル飲料も温度が上がり、その結果、BPAが溶け出す量は当然増加します。ある研究によりますとペットボトルを熱湯ですすいだ場合、BPAの濃度が55倍になるとのことです。ということはペットボトル入りの温かいお茶などは使わない方が良いかも知れません。とくに日本のように自動販売機がどこにでもあり、しかも常に暖かい飲み物が手に入る国ではBPAがペットボトルに溶け出す量は急激に上昇するので、そのような暖かいペットボトル入りの飲料を頻繁に飲んでいる男性は草食化しやすいのかも知れません。ましてや、ペットボトル入りのワインなどはあまり頂けません。
スーパーなどでペットボトル入りのミネラルウォターを重たそうにして買って帰る人を見ると、私にはああここにも将来のがん患者候補がいるな、とつい考えてしまいます。でも、これは私の考えすぎかもしれませんが・・・。私は飲料水や既成のジュース飲料などは瓶入りのものしか飲みません。
それにしても最近はペットボトル入りのワインが発売されているとか。このようなアルコ-ル飲料にペットボトルを使うのは考えものだと思うのです。アルコ-ルがBPAの溶出にどのような影響があるのかの試験をする必要があるのではないでしょうか。
なお、ペットボトルの再生は最終的には繊維としての役割もあるようで、最近の世界的な綿生産が減少しているためそれを補充するためにペットボトルが高値を呼んで、たとえばスイスから大量のペットボトルが盗まれて中国に輸出されているとのことです。たとえば一トンのペットボトルが五万円で取引されているとのことです。
でもそのような繊維から作られた衣類などの安全性はどうなるのでしょうか。話は少しずれますが、トイレットぺ-パ-はいろいろな紙のリサイクリングで作られているので場合によっては細菌が混入している場合もあるとのことですので、文字通り細菌学的には清潔な紙でない場合もあるようです。ですから、トイレの紙で眼などは拭かないほうがよいのです。
追記 (2012/3/31)
最近アメリカでこのBPAについての使用禁止の提案に対しFDAが現時点ではその使用を禁止するに十分なデ-タがないとの理由から、使用禁止の請願を却下したことが報じられています。しかし、それは現時点でのデ-タ不足というのがおもなる理由なのです。確かに現時点ではそのような理由は見つからないのですが、ことBPAの毒性に関しては超メガ長期毒性のデタが無いだけなのです。
http://click.jwatch.org/cts/click?q=227%3B67660643%3BjOpegVjHIBSODfbfJ%2B1MghyjqLs%2BXqxWYGdnIsqZa9M%3D
このように考えるとやはり幼児や子供にはペットボトル入りの飲み物は与えないほうがよいかもしれませんが・・・・。
追記(2014 Jan)
最近になって以下のような動物実験デタが発表されています。勿論、これは動物実験デタなのでただちに人の場合に演繹することには無理がありますが、ある意味ではかなり示唆に富んだ実験なのです。つまり、簡単に言うとペットボトルの使用が前立腺ガンを引き起こすかもしれないということです。
Prins GS, et al "Bisphenol A promotes human prostate stem-progenitor cell self-renewal and increases in vivo carcinogenesis in human prostate epithelium" Endocrinology 2014; DOI: 10.1210/en.2013-1955.
この論文に対してアメリカのペットボトル製造関係機関のコメントは例のごとく、これは動物実験デタであり、そこに使われているBPAの用量は人の場合の用量とは比較できないほどの多量などとのコメントが付けられていましたが、今までのいろいろな動物実験デタと人への演繹への可能性を考察した時、この実験デタはかなり意義のあるものになるのかもしれません。いずれにしてもこのようなデタに対する反論の一つにそこで使われている用量が取り上げられていますが、しかし、この種の反論で常にな欠けているのはメガ長期使用期間なのです。例えごく微量でも年単位での使用の場合の結果は誰も分からないのです。
追記(2014 Feb)
その後の研究によるとBPAは前立腺がんを引き起こす可能性が有るとのことです。
BPA Increases Risk of Cancer in Human Prostate Tissue
Published: January 7, 2014. By University of Illinois at Chicago
http://www.uic.edu
つまり、BPAに関しては前立腺に対して悪い影響を与えることはほぼ確実であり、問題はそのようなペットボトル入りの飲料を毎日飲んでいることが大きな問題なのです。しかし、現実には今ほどペットボトルがまん延しているような状況下ではその禁止はかなり困難になりますが、問題はそのような意識を各個人が持つことが大切なのです。
そこで考えたのですが、前立腺がんが見つかった六十才以上の男性を対象にして今までにどのくらいの頻度でペットボトル入りの飲料を飲んでいたかの疫学調査をしてみると意外な結果が得られるかもしれません。
追記(2014 March)
最近の報告ではプラスチック容器から溶出する phthalates and Bisphenol A (BPA)の体内濃度の高い男性の場合には妻が妊娠する可能性がかなり低下するとのことです。つまり、いろいろなペットボトル飲料を飲んでいる夫妻の場合には子供がなかなかできにくいということです。いずれにしても悪いことだらけです。したがって、若い男性がもっぱらペットボトル飲料水を毎日飲んでいて、そのご結婚してもなかなか子供ができにくいことです。
Immediate Release: Wednesday, March 5, 2014
High plasticizer levels in males linked to delayed pregnancy for female partners
NIH study
追記(2016 March)
最近、別途ボトルの毒性に関しての解説が載っていました。
http://a.msn.com/01/ja-jp/BBrlFUu?ocid=se
しかし、ここではBisphenol A (BPA)の毒性に触れていませんし、またメガ長期使用時の毒性に関しては「1本(500ml)の飲み物に溶け出しているエチレングリコールの量は、約0.000036gと計算されます。これも、影響がないと考えられる値よりもかなり小さいことになります。以上のことから、飲み物のペットボトルの人体への影響はほとんどないといえるでしょう。」と簡単に考えているのです。
その他にもペットボトルの毒性として、
PETのフィルムについて、95度の熱湯で4時間溶出試験を行ったところ、テレフタル酸が0.014ppm(ppmは100万分の1を表す濃度の単位、1ppm=0.0001%)、エチレングリコールが0.016ppm検出されました。テレフタル酸ジメチルは、ND(検出限界以下)でした。また、ポリエチレンテレフタレートのシートについて、同様の溶出試験を行ったところ、テレフタル酸が0.037ppm、エチレングリコールが0.072ppm検出されました。テレフタル酸ジメチルはNDでした。これらのデータも『食品用プラスチック衛生学』に掲載されています。
 この実験結果をどうとらえればよいのでしょうか。テレフタル酸1%を含むえさをラットに2年間食べさせた実験では、異常は認められていません。同様に2%を含むえさを食べさせた実験ではオスの成長が悪くなり、5%を含むえさではオスとメスの成長が悪くなり、死亡率も高くなりました。しかし、腫瘍形成などの徴候はありませんと報告されています。
ただ、この実験では腫瘍への影響しか見ておらず。またその期間2年間だけでした。そしてBPAの毒性には全く触れていないのです。
追記(March 2018)
最近のアメリカでなされた研究報告(State University of New York)では、プラスチック・ボトルの中に入っている液体の中には0.1 mmのごく微小なプラスチック片が平均では一リットル中に10.4片が存在することが報告されています。これは平均値ですので、この調査結果ではそのようなプラスチック片(polypropylen, nylon, polyethylenterephthalat)が検査対象のプラスチックボトルの中に0 - 10 000片が検出されていたとの報告です。
調査対象としたペットボトルはアメリカの物、他の国からの輸入品など計250本のペットボトルを検査した結果なのです。このようなプラスチック片がどのような健康に影響があるのかは決定的なエビデンスはないのですが、がん発生要因、ADHS (Attention Deficit/Hyperactivity Disorder 注意欠陥・多動性障害 )要因などになっている可能性が高いとのことです。
このようなごく微小のプラスチック片を長年にわたり飲み込んでいるとすると十年後、二十年後の影響はかなりおおきなものになる可能性があるのですが、そのような調査研究は多くの研究者にとってはあまり興味のあるテマにはならないのです。換言すると、従来の毒性学の研究では短期間での容量依存性の毒性結果しか知られておらず、極めて長期間にわたる摂取に関する毒性学的研究は殆ど皆無なのです。
追記(May 2018)
最近の報道によると「ちびだら飲み、コ-ヒ-にに新風」との記事があり、小型のペットボトル入りの飲料水の販売が始まったとのことですが、サントリのデタではここ一年間で三億六千万本売れたとか。このような傾向は今後もますますいろいろな飲み物に発展するのでしょうが、その結果として長期にわたるメガ微量のBPAに体が暴露されることになるのですが、その影響は三十年後、四十年後にならないとわからないのです。、

2011年6月 8日 (水)

食卓の安全性

食卓の安全性

我々がレストランなどで何気なく食べている肉類、魚介類はまったく安全で、何らの非自然性の成分を含有していないものとの暗黙の了解があると思います。時折、中国での食品汚染の報道も自分たちとは関係ないものと考えてしまいます。欧州でもレストランで食べる肉類とか魚介類は全く問題がないものと誰もが考えます。ところが、最近は欧州でもレストランのメニューに載っている肉類、魚介類についてのその産地国が明記されるようになりつつあります。例えば、この豚肉はスイス国産もの、エビはタイ国産ものなどと記載されています。

ところが最近、スイスの一流ホテルのレストランのメニュ-にこの産地国が明記されてあるメニュ-の下のほうに以下のような記載が載っているのを見つけました。この注意書きは産地国名に星印が付いている肉類、魚介類にたいする説明となっています。たとえば、エビにこの星印がついていれば以下の説明が該当することになります。

Kann mit Hormonen und/oder Antibiotika oder anderen antimikrobiellen Leistungsfoerdergungen erzeugt worden sein.つまり、「ホルモンとか抗生物質、あるいは他の抗微生物薬が生産性を高めるために使われている可能性あり。」と正直に注意書きがあるのです。この注意書きがどのような意味を持っているのかただちに理解は出来ないかも知れませんが、このような文章から推測できることはそのような可能性がゼロではないかもしれませんが、実態は正直言って不明ですよ、とのニューアンスが読み取れるのです。つまり、この文章からただちにこのメニューに載っている肉類とか魚介類がそのような化学物質が生育促進剤として使われ、もしかしたらそのような物質が目の前に出された肉類や魚介類に混在しているかも知れませんよ、との警告文とも理解できるのです。もっとも、衛生当局は仮にそのような物質が検出されてもその量は極めて微量であるので問題はありませんよ、と解釈しているはずです。ちょうど福島原発の放射能漏れの影響についての説明と似たようなものかもしれません。

ただ、問題はそのようなごく微量の物質を長年摂ったらどうなるのかということに関しては誰も分からないものと理解しているのではないでしょうか。それにしてもこのような記載がレストランのメニューに載るようになったことはある意味では正しいのでしょうが、一般消費者としては当惑させられるような記述になります。問題はこのように長年にわたって摂取した結果がどうなるのか、それにはどのくらいの年月が必要になるのかなどはこれからの研究課題になるのでしょう。つまり、今後の食品安全性にかんする毒性研究では従来の概念の慢性毒性ではなくメガ慢性毒性mega-chronic toxicityという新しい範疇が必要になります。ちょうど、最近話題になっている携帯の電磁波と脳腫瘍との関連性とか、ペットボトルの微量の可塑剤の存在とその発がん性の問題にもこのメガ慢性毒性研究が必要になるわけです。もっとも、一部の国では飲料水などにペットボトル使用が既に禁止されていることからペットボトル入りの飲料水は避けたほうがよいかも知れません。

福島原発事故に関連したいろいろな記事に、放射能の影響に関して使われている常套語句に「食べ物からの取り込みは規制値を守っていれば影響はない」があります。これは食品衛生分野でも同じ表現が使われています。しかし、このような表現はもし長期に摂取した場合はどうなのかという答えは無いのです。確かに一年とか二年のような比較的短期間での影響はまず無いでしょう。しかし、これが十年単位になると正直なところその結果は分からないのです。つまり、これは従来の慢性毒性の範疇をはるかに飛び越えた概念になっているものなので、そのようなメガ慢性毒性がどうであるかという答えは無いのです。いずれにしても、安全な規制値というものには絶対性があるわけではなく、その後の研究が進めば変化する可能性があるのです。ですから、すべての領域、分野で安全性の規制値、基準範囲などがあってもそれらはあくまでもその時点での目安に過ぎないのです。


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