カテゴリー「地球温暖化対策」の記事

2014年2月24日 (月)

地熱利用の給湯施設 (*)

日本は火山国なので、地下には膨大な熱源があり、その代表的な概念は地熱利用の発電があります。ところがこの地熱発電では地下の熱気・熱水を地上に取り出して使うので膨大な施設が必要になります。そのため、地勢によっては地下水位の低下などを引き起こしたり、地盤の低下を起こす可能性もあり、またそれなりの大きな施設の設定に関してかなりの費用も掛かり、市町村単位ではとてもその実現は不可能です。
日本ではこの地熱の利用に関してはもっぱら地熱発電しか考えていないようですが、そのほかにも比較的小規模で市町村単位でできる地熱利用があるのです。
それは地上から冷水を配管を通して地下に送り込み、地熱で温められた熱湯、温水を地上に戻し市町村の狭い地域にパイプで給湯するのです。このような利用は環境を壊さず、また地下水の水位を変動させる可能性は全くなく、まさにエコ給湯方式になります。現在では各戸での風呂とか温水は地域によっても異なりますが、ガスか電力により温水を作っているのですが、この方式を使えばガス代、電気代はいらなくなり、この地熱利用温湯使用料だけになるのです。
九州とか東北にはいろいろな温泉地が多くありそこの地下を800メトル前後、いゃ、温泉地ではもっと浅いところでも地熱が80度くらいになるところはかなりあります。この地熱による温水利用は地下の熱源が80度くらいでも配湯地域の大きさにもよりますが、各戸に配湯されたお湯の温度は50度くらいに保つことは可能です。ですから、この方式での開発は、地熱の状況、地上での配湯戸数によってかなり影響されます。寒地では配湯管をやや深めに通すとか、場合によっては地上配湯施設である程度の加熱を必要とする場合があるかもしれません。
このような地熱利用の配湯施設の設備は大都会ではいろいろな地下配管・配線関連の影響もあり、かなり難しいのですが、比較的戸数の少ない、そしてあまり地上にいろいろな障害物のない小さな市町村では比較的配管工事も楽になるのです。
ともかく、この方式では地下水への影響とか環境への影響が全くないのが特徴で、文字通り、エコ給湯施設になります。もちろん、初期の投資はかなり費用が掛かるかもしれませんが、長期的に見れば現在のガス、電気利用の温水作成よりもかなり安くなるはずです。何事も初期投資はかなり高くなりますが、長期的にはかなり安くなるのです。ですから温泉地でも全く問題はありません。
現在、福島などの東北では震災後の再建にいろいろなプランが立てられていますが、この地熱利用方式はまさに福島などにはぴったりの案かもしれません。、
なお、これと関連して、私が住んでいる五家族が入っている建物はこのような給湯施設がある村の中にあり、この建物には他の建物のように重油による給湯設備は全く不要なのです。この建物の概要を以下の雑誌に紹介してありますので、ぜひ一度ご覧ください。もし、必要ならば私にご連絡してくださればそのコピ-を進呈いたします。
  「北国の太陽光を最大限に活用」
    鈴木伸二  住宅建築  56-57頁  12号, 1998
実はこのような地熱利用を行政単位で実施しているスイスのバゼル市郊外の一地域があるのです。もし日本の自冶体がこのような施設を見学したいのであれば私が喜んでご案内しますので、ご連絡ください。(ssuzuki@bluewin.ch) このような見学は十分価値があると思うのです。

2011年6月16日 (木)

太陽光利用の暖房

もう一つの太陽光利用方法

 

最近の原発事故以来、代替えエネルギー問題が再燃し、そこには必ず太陽光の利用があります。実際に太陽光を利用する方法としては発電パネルが主体で、屋根に置く太陽光利用の温湯補給もありますが、極めてその利用は限定されています。このソーラーパネルによる発電は確かに太陽光の豊富な地域ではかなりの発電力が期待されますが、直接暖房には使えず、一旦電気に変えてからその電力で暖房装置を動かすことになります。

そのほかにも太陽光を暖房に直接利用する方法があります。それはスイスで使われている太陽光利用の暖房設備で、このような設備は意外と日本ではあまり知られていないようです。この方法は建物の南側の壁面全体に太陽エネルギーを貯蔵するシステムです。この装置は外壁と室内壁との間に細いガラス管をまんべんなく並行に詰めた大きな壁に日中の太陽エネルギーが貯蔵され、夕方から夜中にかけてその貯蔵されたエネルギー熱が室内に向かって徐々に放熱され室内の壁が暖かくなり、一日中太陽が照っている場合には冬の寒い時でも室温が20℃近くに夜中まで保たれます。したがって、冬の寒い日にも日中に太陽が出ていれば夜も暖房は要らないのです。もっとも、この場合には建物全体がかなり断熱状態が良好な場合であって、室内の暖気が容易に外に逃げていくような状態ではこの設備の効率は悪くなります。夏にはこの設備の外側にブラインドを下ろして太陽エネルギーを遮断します。
この方法の詳細については建築雑誌「住宅建築」(1998/12:54-57 建築資料研究社)に私が報告してあります。

以下にこの建物の概観の写真をお示しします。この写真の南側にある黒っぽい装置は通例の発電用のソラレパネルなのですが、壁に直接装置され、窓やガラス戸の両脇に見られるやや茶色様壁が太陽熱集積パネルになっています。

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でもこのような簡単な装置が日本で活用されていないことはまことに残念です。

 

 

2011年1月20日 (木)

私の架空発明(7) スポ-ツジムでの発電

   町のいたるところに見られるスポ-ツジム、老いも若きも一生懸命汗を流しながらいろいろな器具を使っています。自転車漕ぎから始まってランニングマシ-ンなど、わざわざそのようなところに行かなくとも我が家でも町の中でもできそうな運動もかなりあります。しかも、わさわざお金を払ってしているのです。世の中変われば変わるものです。それというのもこのような施設が繁盛しているからです。

 

   しかし、そのような施設の繁盛ぶりを見ていてふと考えるのはあれだけのエネルギ-を発電に使えないかということです。実はこのような発想を2009.01.12の朝日新聞の声欄に「健康器具から発電出来ぬか」として私の投書が載ったのですが、その後もう二年近く経っているのに誰もそのような装置を開発していないようです。もし、そのような装置が開発されれば地球温暖化予防にも貢献するものとも考えられるのですが・・・・・。

 

   ところが、最近になってデンマ-クのコペンハ-ゲンのホテルがこの発想を実現したことが報道されていました。つまり、このホテル内にあるスポ-ツ施設で自転車こぎで発電することができ、宿泊客が10ワット時を発電するごとにホテルが食事券を進呈しているとのことです。

 

   つまり、このような装置を作ること自体はそれほど難しいことではないことです。技術的な問題は発電した電気を蓄える蓄電池の整備かも知れません。もし、世界中のスポ-ツジムがこのような装置を装備したら大変なエネ.ルギ-の節約になります。どこかの会社がそのような設備を開発してほしいものです。

 

   実はこのアイデアをすでにミズノ・スポツ店に提案しましたが、参考にさせていただきますとの返事は来ているのですが…(2008 Jan.11)。

 

でもこんな簡単な装置を誰も考えないのは何故なのでしょうかね。バ