私の架空発明 (11) テレビのガラパゴス化を
現在のようなIT社会ではいろいろな分野で毎日のように新しい製品が作られています。とくに、テレビ、携帯、パソコンの三分野ではそれぞれの境界線が漠然としつつあり、最新式の携帯さえあればテレビは要らないし、パソコンも不要となりつつあるのも時間の問題かも知れません。とくに日本の得意芸である小型化では携帯にその努力が集中している感があり、その結果、日本だけで通用する「携帯のガラパゴス化」とさえいわれるのが現状です。もっとも、最近のアイパッド、アイフォンなどへの進化に伴い、日本のお家芸であった小型化志向のIT機器は韓国勢に押されてまったく凋落の一途をたどりつつあります。
しかし、ここで長期的な視点に立ってみると、今後の高齢化社会の存在を無視することはできなくなります。高齢化社会に生きる人間にとって、携帯のような極めて小型の機械は扱いにくいものになることです。つまり、現在の大型テレビのほうが高齢者にとっては極めて身近な存在になるのです。とするならば、携帯との競合という意味でも、テレビのガラパゴス化、あるいは巨人化、を考えてはどうでしょうか。最近では、やっとDVDをそのままテレビに挿入してテレビで見られるようなタイプのものが売り出されていますが、今後はその他のいろいろな機能を付けることです。
つまり、テレビにいろいろな付加価値を加えることです。例えば、時計、電話、DVD、PC,などのソフトをテレビの画面に転用することです。「私の架空発明」にも提案しました、テレビ画面での電話会話の表示とか、Skypeを利用しての画面会話、などいろいろな分野のものをテレビと合体させることです。この程度の技術の合体はそれほど難しいことではないので、ぜひ開発を進めてほしいものです。現在のような競合社会では他社が考えていない分野を開拓することです。
さらに最近ではPCの音声入力も導入されつつありますので、高齢者がテレビ画面でのいろいろな機能を音声入力出来ればますます使いやすくなります。ちょうど数年前に日本で携帯の宣伝に「使用説明書のいらない携帯」という文句で大いに売り上げが上がったことが報告されていましたが、これも高齢者にとっては余計なソフトが入っていなく、電話機能だけで、しかも数字が大きく、使い方が簡単なのできわめて使いやすい携帯として好評だったわけです。
この音声入力方式がテレビに導入されれば、高齢者はいちいちリモコンで操作しなくても、「テレビを見たいわ」と話せば、自然にスイッチが入って、さらにチャンネル名を言えば見たい番組が見られことになります。あるいは、「だれだれさんと話したいわ」と話せば、すぐさま相手にSkypeを通して話ができるようになるのです。
そのほかにも緊急電話機能も考えられます。たとえば、一人暮らしの人が急病とか転倒したようなときに「助けて」て叫べば自動的に110番につながるようにすることです。
このように考えるといろいろな機能が考えられます。しかもその可能性は無限にあるといっても過言ではないのです。
でもこうなるとテレビがテレビでなくなり、tele+mega-visionテレメガビジョンになります。
追加(2012 Oct)
最近の報道によると日立がテレビの生産を中止したとのことですが、テレビの巨人化という観点からはこの決定は大きな間違いだと思います。いずれ、この分野のテレビが韓国で生産されることになるからです。