外国語は英語だけではないのです
外国語は英語だけではないのです
戦後間もなくの「カムカム英語」以来、今日に至るまで、日本では外国語勉強と言えばもっぱら英語のことになり、現在でも英会話上達法とか、英語がペラペラにる、などの宣伝広告が毎日のように新聞にあふれています。確かに日本人にとっては外国語、つまり誰でもが一度は英語で話したいとの願望があるものと考えても大げさではないかもしれません。しかし、残念ながら日本は島国であるため国内での英語を話すことが出来る環境はゼロに近いのです。もっとも、最近では日本に来る観光客が増えていますが、その人たちとの会話をするということは極めて限定的であり、更に必ずしもすべての外国人が英語を話すわけではないのです。
つまり、考えてみればいろいろな環境などを考慮すれば外国語学習の対象は英語だけではないのです。例えば、日本ではあまり関心が求められていないフランス語とかドイツ語とかイタリア語などもある意味では奥深い外国語でもあるのです。同じ外国語を習得するという努力をこれらの言葉に目を向けることは欧州旅行、滞在などに際しても非常に有意義なのです。例えば、スイスのような国では国語がドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンス語の四か国語であり、語学環境は世界のなかでも抜群なのです。むしろこれらの外国語の勉強は日本では希少価値があり、同じ努力でも達成感が得られやすいかもしれません。
最近の新聞に「世界への一歩、言葉と勇気」と題する特集記事が載っていました。その概念は今日のような国際化、グロバル化が急速に進むなか、世界を舞台に活躍できる人材の育成が求められているとして、朝日新聞社が15大学と協力して展開するシンポジウム「朝日教育会議」は、海外に多くの若者を送り出してきた神田外語大学が企画され、とかく「内向き」ともいわれる日本の若者が、世界に飛び出すために欠かせない「言葉の力」について考えているとのことです。
ここで改めて考えさせられることはこのような発案は何も今になって始まったことではなく、昭和の時代、いゃそれより以前から言われていたことで、この分野での従来の歴史を知っている熟年社会の者にとってはまさに“なにを今更“の感じなのですが、若い世代の人にとっては常に新鮮な話題なのです。でも、なぜこのような“陳腐な“話題が現在でも新鮮なものとして取り扱われるのでしょうか。それは極めて簡単で、日本は島国であり、海外という表現がいみじくも意味しているのです。つまり、日本から海外に出るということは極めて現代の内向き志向の若者には新鮮な話題になるのです。ある意味では島国に住んでいる日本人には国境という概念を日ごろから身をもって経験する機会がゼロですので、ある意味では常に極めて印象的になっているのです。
確かに海外に飛び出すためには言葉の力がある程度必要になりますが、極端な表現を借りれば、この場合の言葉は日本では一般的には英語しか考えられていないのです。でも、海外にはいろいろな国があり、それぞれの国にはそれなりの深い歴史があり、それに随伴していろいろな民族性などが厳存するのです。つまり、海外に飛び出すことができる世界は英語圏だけではないのです。たしかに、現在のようなグロ−バル社会では英語が多く使われていますので、外国語イコ−ル英語と短絡的に捉えられるのも無理がないかもしれません。しかし、観光客として海外に出かるときの言葉の力としての英語と、海外に留学、勤務、在住、居住などをして、ある程度の国際感覚、経験を習得するにはやはり相手先の言葉を身に着けなくてはならないことは意外と忘れられているのではないでしょうか。
一旦、海外に目を向けた時、周知のように世界にはいろいろな国があり、それぞれの国でいろいと異なった言葉が使われているのです。このように考えた時には海外と一口に言っても実にいろいろな国があり、それぞれの国にはそれぞれの歴史、文化、伝統などか存在するのです。例えば、欧州と一口に言っても、大きく分けるとフランス語圏、イタリア語圏、ドイツ語圏、スペイン語圏などかあります。更に目的によってはスエ−デン語、オランダ語、ロシア語などが言葉の対象になるかもしれません。その他にもアジアに目を向ければお隣の中国があるかもしれません。むしろ、このような日本では希少価値的な言葉を勉強することは、英語を勉強する同じ努力よりもその効果には輝きが見られる可能性が高いのです。ある意味では同じ努力をしても英語の場合にはほかに何千、何万の日本人が同じ努力をしているので、あまり第三者的には効果が見られないかもしれません。しかし、英語以外の外国語を日本で勉強すれば、それなりの希少価値が表面化する可能性は高く、満足感は大きくなるはずなのです。
このように言葉の力という対象には実にいろいろな可能性があり、海外という対象は無限にあることを念頭に「海外」という概念を改めて理解してほしいのです。
では日本でそのよぇな外国語を習得するにはどうしたら良いのでしょうか。勿論、いろいろな外国語学校がありますので、そのような学校を探せばよいかもしれません。しかし、英語以外にはなかなかそのような可能性をどこでも見つけることは不可能なのです。たとえば、大都会以外でそのような可能性をどうしたら見つけることが出来るか。
私が、日本で実際に行ったことを例にとれば、それぞれの国の大使館に誰かを紹介してもらえませんかと問い合わせることから始めてはどうでしょうか。例えば地方にその国の人が滞在、居住している人を紹介してほしいと、連絡することも一つの方法なのです。