新聞広告の読み方
新聞には毎日のように色々な宣伝広告が載っています。
特に目立つのは本の広告、英会話上達法、化粧品、健康志向大衆薬などがあります。
例えば、本の広告には必ずといっていいくらい何万部増刷のようなタイトルが付いているのです。なにも知らない人は、「増刷」イコル「販売済」との短絡的な解釈で、えっ、そんなに売れているの、じゃ、私も買ってみようかなと思うのも無理がないのです。しかし、この「増刷」と「販売数」とは全く関係がないのです。
その理由は、書籍の流通事情を知る必要があるのです。本を出版した会社は日本全国の書店に配布することは出来るのですが、もし書店がこの本なら店頭に置いても良いですから、何部受け付けましょう、と出版社に申し出てその部数が出版社から送られてくるのです。しかし、その時点で書店はそれなりの代価を出版社に払うのです。しかし、問題なのはその本の売れ行きなのです。ある一定期間が過ぎてもその本が売れ残っていれば本の内容によってはそのまま出版社に戻すことが出来るのです。そうすると出版社はそれに該当する金額を書店に払い戻ししなければならないのです。
つまり、そのような仕組みの中では出版社は一時的にはかなりの金額が配布先の書店から払い込まれるのですが、一定期間後にその配布した書籍が書店から戻されてきたときには、その書店に該当金額を払い戻しすることになるのです。したがって、最終的にはその本は売れていないことになるのです。このことはまさに「自転車操業」と同じことなのです。ですから、出版社は次から次えと本を出版しなければならないのです。
これが本の広告の実態なのです。
一方、英会話関連の広告も毎日のように見られるのですが、実に毎日のようにそれぞれの異なった方法で英語が話せるようになりました、と宣伝しているのです。でも考えてください。もし本当にそのような宣伝の通りに、英語がペラペラに話せるようになるのなら、その方法だけで十分なはずですが、なぜか毎日のように色々と異なった方法の宣伝が連載されているのです。それと同時にもう一つ考えなければならないのは、英会話関連の宣伝に、私はこの方法でペラペラになりましたのと経験談が載っていますが、そこに現れる人のほぼ全員が女性なのです。でも、考えてみてください。日本の男性の多くは日本語でもあまり喋らない、いゃ、喋れないのです。その反対に一般的に女性は話好きの人が多いのです。これは当然の現象でもあり、世界共通の現象なのです。でも、そのような日本語でもあまり喋れない人が、英語になるとペラペラになるとでも思っているのでしょうか。そんなことはありえないのですが…。