カテゴリー「映画・テレビ」の記事

2019年3月22日 (金)

映画「ビリーブ 未来への大逆転」を見て

映画「ビリーブ 未来への大逆転」を見て

 

女性の地位向上を目指したアメリカの女性法律家ルース・ギンズバーグの闘いを描く「ビリーブ 未来への大逆転」が、日本でも今月の22日公開されるとのことです。性差別を違憲とする画期的な判決を勝ち取った女性の闘いを描いた素晴らしい映画なのです。
この映画を私は当地で見たのですが、勿論この女性が如何に男性社会と闘ったのかと言うことに感銘した以外にも、男性としてこの映画を観た時、最初のシ-ンに黒い衣装の後ろ姿の男性の大群の中に一人だけの女性の姿があるシ-ンを見て、初めて一人だけの孤独な女性という存在意識を身をもって感じさせられた極めて印象的なシ-ンがありました。その時に思ったのはこのような異常性をほとんどの男性は意識する機会は全く無いのではないかと考えたのです。確かに、今日のような社会では女性がいろいろな分野に進出してるので,このようなシ-ンに異常性、感銘を受ける機会はかいむかもしれません。

この映画の概要はYOUTUBEで見ることが出来ます。

もっとも、その逆の立場を経験したことが私にはあったのです。もうかなり以前のことですが、私が日本で一人で生活を始めた時にある土曜の朝早く一人でス-パ-に朝食の買い物をと思って出かけた時のことでした。その時に入り口のレジの前に女性群がずらっと並んでいる光景に圧倒され、すごすごと戻って来たことが思い出されたのです。つまり、この映画と全く逆の立場を経験させられたことがあったのです。まぁ、普通の状態では男性がそのような瞬間的な印象を経験することは皆無だと思うのです。とくに未だに男性社会中心の日本ではぜひ男性が見てほしい映画だと思いました。

 

 

2012年1月13日 (金)

無声テレビ映画の勧め

無声テレビ映画の勧め

  普通の場合、テレビのドラマとかアクション映画を音声と一緒に視るのが当たり前で、誰も音声なしで視ようなどと考える人は皆無だと思います。ところが、このような映画を無声で一度視てみてはいかがでしょうか。

  なぜ、そのような発想を持ったかといいますと、欧州と日本の間を航空機で頻繁に往復していますと機内での映画を視ることが出るのですが、なにしろ飛行時間が10時間以上と長く、またエコノミークラス症候群を予防するという観点から、そのような機内で寝るのは禁物なのです。したがって、時間を持て余して何本もの映画を見続けますと音声を聞くためのイヤホンが耳を圧迫して苦痛になるので、最後の映画の時にはイヤホンなしで視ていました。ところが意外とイヤホンなしでも映画を楽しめることに気が付いたのです。つまり、最初から音声なしで劇映画を視ても十分にあらすじが理解でき、ほとんど問題なく楽しめたのです。つまり、音声という媒体を介さずに映画を楽しむために無意識的に画面に全力を集中することにより、それぞれの場面をよく理解する努力により全体をかなり楽しむことが可能になるのです。逆に言えば、通常の映画の鑑賞では画面と音声という二つの要因により理解することになり、たとえぱ、場合によっては言葉があまり理解できなくとも画面という媒体を通して完全に理解しているとの錯覚が働くからです。

  このような状態で映画を見ているときの脳波と音声と一緒にに視ているときの脳波とではおそらく大きな違いがあるはずです。つまり、音声が聞こえないときの場合の脳波のほうがある意味では理解するための脳波が異常に活発になるのかもしれません。実際にこのような検査をしたら面白い結果が出るはずです。
  
  皆さんもいちど試されてみてはいかがでしょうか。このように考えると、その逆に映画を視るときに逆に目を閉じて会話だけを聞くとその会話に100%集中でき、完全に理解できるはずです。これはラジオなどを聞くときに「…ながら」調に聞いているとすべての会話、解説を100%理解することはできず、なんとなく判っただけで終わりになるのがふつうではないでしょうか。この原理、あるいはこのような状態を語学の勉強に適用すると、外国映画をオリジナル版で視るときにも目を閉じてみると外国語の会話を理解しようとする努力が100%発揮されるのです。戦後間もなく、英語の勉強になるからと言ってアメリカ映画で英語を勉強するためのセリフの完全版が売り出されていましたが、そのような方法は意外と効果が期待できないのです。それは画面にも注意が向いて英語だけを聞こうとする脳の働きが弱くなるはずだからです。

  もっとも、このような映画の見方を最初から終わりまで、続けてみるのも退屈、面白くないかもしれませんので、ときどき目を開けて画面を視るほうが楽しめます。

追記(2011.2.5)
最近の研究によりますと、聴覚系脳領域・上側頭回の電気活動パターンから聴いた音を予想し、その音に基づいて聞き取った単語を割り出しうるそうです。つまり、認知と想像の脳での処理過程はよく似ていることが示唆されていることから、脳の活動と単語の音の関連を十分に理解できれば、想像を音に置き換え、インターフェース機器を用いてそれを単語として書き出すことも可能になるかもしれないということです。
Scientists decode brain waves to eavesdrop on what we hear / Eurekalert
したがって、私の無声テレビでの経験もまんざらうそではないようです。