カテゴリー「住まい・インテリア」の記事

2018年8月27日 (月)

ドアは内開きが基本なのですが・・・

ドアは内開きが基本なのですが・・・

今年は西日本の洪水悲劇をはじめとして突然の洪水による被害が多発しています。特に、突然の大洪水で家の中に閉じ込められて死亡する例もかなりあったかもしれませんが、家屋自体が破壊されていたりしてその死亡状況の実態は多くの場合不明なのです。
ここで考えられる死亡に至る原因の一つにドアが突然の大洪水の侵入で外開きのドアの為に外部からの突然の水圧により内側から外に出られずに、水死した場合もあるはずですが、何しろ建物自体が崩壊してしまったているのでそのような状態にあったかどうかの認識は不可能なのです。
そこで考えられることは、もしドアが内開きだったら、もしかしたら部屋から外に出られたかもしれないということなのです。

ここで考えられるのはドアは日本ではほとんどの場合か、無意識に、外開きなのです。その典型例は、入り口のドアとかトイレのドアなどが例外なしに外開きなのです。たしかに、日本の場合には本来の部屋や場所を100%有効に使うためには外開きであることが必要なのです。従って、日本の建物の中でのドアは殆どが外開きなのです。
ではなぜドアには外開きと内開きがあるのかを歴史的に、そして理論的に考察してみました。

 近年はなぜか世界各国で集中豪雨による洪水現象が頻繁にみられています。しかもその被害の規模は今までに想像できなかったものであり、死者が多くでているのが特徴となっています。地球温暖化の影響とか環境の激変などがその原因として報じられています。
                               
 過去において日本でも同じような犠牲者が出ていました。たとえば、そのひとつに地下洪水で東京と福岡で二人が突然の大量の雨水の侵入で水死している悲劇が報告されていました。東京での場合(1999.07.21)には、男性が自宅の地下室に居てドア-が突然侵入してくる水圧で開かなくなり水死しています。また、それと前後して博多駅前のホテルでも突然の浸水でひとりの従業員が地下に閉じ込められ、殺到する水で押し開きのドア-が水圧で開くことができなくなり非常用のはしごを使って間一髪で脱出することができたことが報道されていました。たしかに、外開きのドア-の外側に水が急激に押し寄せてきた場合には、とてもそう簡単にはドア-を押し開く事はできません。いや、ほとんど不可能に近いのです。専門家の話しでは、幅1.5メ-トルのドア-に約50センチの水位で水が押し寄せてきた場合、そのドア-全体に約190キロの水圧がかかると計算されています。そうなるととても普通の人間ではそのようなドア-を押し開くことは不可能になります。ちょうど普通の人が小錦関とか曙関を相手にしているようなもので、とても勝ち目はありません。これらの問題に関連して、建設省などが地下洪水についての緊急対策をまとめていることが報道されていましたが、結果的には現在どのような対策が取られているのかは分かりません。。

 ここで問題なのは地下室の扉が(中に居る人からみて)外開きで突然押し寄せてきた水圧のため、中から開けることができなくなり水死していることです。しかし、行政の緊急対策にはこの外開きドア-についてはなんらのコメントもなされていないようでした。ここで改めて私たちの日常生活範囲をよく観察してみますと、この外開きドア-方式は日本ではごく当たり前のものであり、内部から外に出るときのドア-は日本では全部外開きなのに気がつきます。典型的な例はマンション、アパ-トのドア-の設置構造をみれば一目瞭然です。つまり、玄関のドア-は外部の廊下に向けて開く外開きですし、室内のトイレのドア-もトイレから出る時にはトイレの中から外に向けて開ける、つまり外開き、押し開き式になっています。すなわち人が居る部屋から外に出る時は日本ではドア-は必ず外
に向けて押し開く構造になっています。でも例外はどこの世界にもあるもので、なぜか日本の空港などのトイレのドア-は内開きになっています。もっとも、公衆トイレの場合には外開きだと狭いトイレの中に人が込み入っている時には待っている人にドアがぶつかる可能性があるので内開きになっているのです。

 ところが不思議なことにヨ-ロッパではドア-は内開きが常識になっています。玄関のドア-は必ず部屋の内部に向かって開くようになっています。(テレビで外国番組のシ-ンを注意して観察してみてください。)ホテルでも部屋から廊下に出る入り口のドア-はかならず内開きです。(ただ、例外的に日本の多くのホテルでは部屋の入口だけはドア-はヨ-ロッパ同様に内開きのようです。) もちろん、普通の家屋の部屋の中にある浴室などのドア-も浴室内部にドア-は開くようになっています。ところが、日本では内部の浴室のドア-は多くの場合外開きになっています。これは明らかに浴室の広さに関係があります。特にビジネスホテルのような場合には部屋そのものが小さく、効率よく面積を使う為にはそのようなドア-は必ず外開きになっています。このほうが狭い空間を最大限有効に使うことができるからです。

 ですから、前記の洪水の場合でも、東京での地下室のドア-がもし内開きであったならばその男性は或いは助かっていたかもしれません。すくなくとも、ドア-を開けること自体には問題がなかったはずです。むしろ逆に水圧でドア-が自然に破壊されていたかもしれません。そうなれば、外に逃げ出すことができる余裕があったかもしれません。これがヨ-ロッパでしたら当然そのような地下室のドア-は内開きになっています。ただし、スイスのように各家屋、マンションの地下に法律で義務付けられている防空壕のとてつもない厚いコンクリ-トのドア-(厚さ約20センチ)は例外的に外開きになっています。しかし、よく考えるとこの開き方ははっきりと爆風に耐えられるとの目的で意図的にそのようになっているのです。意図的と言えば、スイスの化学企業内では爆発の危険性があるよ
うな実験室のドア-は例外的に外開きになっています。つまり、万が一爆発事故が起きてもドア-が簡単に爆風によって壊されて爆風圧を分散させる効果の役割をしていることになります。そのほかマンションなどの入り口は外開きになっている場合が殆どです。これは火災とか地震なとのような場合にそのマンションに住んでいる住民が一斉に外に出る場合を想定し、意図的に外開きになっています。つまり、合目的に造られているのです。
               
 では、なぜ日本ではこれほどまでにほとんど例外なくドア-がすべて外開きになってしまっているのでしょうか。昔の日本家屋では周知のようにすべてのドア-は障子などにみられる引き戸でした。引き戸といえば、ヨ-ロッパの中の島国である英国の従来の家屋の窓はヨ-ロッパ大陸とは異なり、上下方向に上げ下げする窓になっているのも面白い現象です。つまり日本と英国とでは窓は左右、上下と方向は異なりますが原理は同じなのです。

 ところが近代建築としていわゆる洋式建築が導入され、戦後はアパ-ト、マンションが急速に普及しはじめ、そこには当然従来の引き戸方式からドア-方式が採用されるようになりました。ところが、日本のアパ-ト、マンションでは部屋単位面積が狭いため、できるだけ部屋の面積を有効的にしかも最大限に利用できるために、すべてのドア-は外開きにされたようです。たしかに小さな室内面積を最大限に利用するという点に関しては、このようなドア-のほうが内開きのドア-よりもきわめて効率的です。たとえば、日本のマンションの玄関のドア-がもし内開きですと、靴脱ぎ場の利用面積が極端に制限されてしまいます。トイレのドア-も内開きにするとトイレ内部の面積をより広くする必要があります。ですから、どうしても日本では外開きドア-を採用しなくてはならなかったのかも
しれません。つまり、日本ではドア-方式が近年急速に採用されたためドア-本来の目的から離れて実用的な見地から外国のドア-開閉方式とは正反対の外開きが採用されたのかもしれません。日本のマンションのような構造では入口のドア-が外開きですので、訪問者にとっては注意しないとドア-が突然開かれる時にドア-にぶつかる可能性があるので不注意にドア-の前に立つことはできません。これがホテルの場合には、もしすべての部屋の入口のドア-が日本の家屋のように外開きでしたら、うっかり廊下を歩くことができなくなります。いつドア-が突然開かれるとも限らないからです。このような見地から日本のホテルの多くは例外的にヨ-ロッパ式にして入り口のドア-は内開きになっているようです。

 ところで、ドア-本来の目的はなんなのでしょうか。その解釈にはいろいろあると思われますが、歴史的にはやはりその第一は外敵を防ぐための防御にあったようです。もちろん、北国では寒さを防ぐ役割を兼ねていたかもしれません。しかし、人間の防御本能から当然の結果として内開きになった歴史があるものと推測されます。よく、海外のアクション映画または西部劇のテレビとか映画のなかで悪漢が入り口のドア-を蹴破って中に突入するシ-ンがあります。中からは必死にドア-の内側に支え棒とか家具などでドア-が押し開かれるのを懸命になって防いでいるシ-ンはおなじみになっています。ところがこれが日本式の外開きドア-では内部から防御をするすべはまったくありません。錠前がこわされればそれでおしまいです。日本式の外開きドア-ではあのようなシ-ンを撮影するこ
とはかなりの無理があります。ましてや、体重の軽い日本人にはそのような外開きドア-を押し破って中に侵入することは不可能です。

 このような歴史的背景から海外の建物でのドア-が常に内開きになっているわけです。本来、ヨ-ロッパのような内開きドア-のほうが外から無理に押し入るのを防ぐということに関しては有利かもしれません。即ち、内部にいる人達にとって、安全という意味ではドア-が内開きのほうがはるかに防御に適しているのです。このような観点から西部劇に良くみられる砦の入口も内開きになっています。

 日本のマンションなどのように外開きドア-ですと、たとえ安全チェ-ンがかかっていてもいったん少し開けてしまえば簡単に侵入を許してしまいます。そのような状況下では開かれようとするドア-を内部から抑えることができないからです。もっとも安全と水は只という概念にどっぷり漬かっている日本ではそのようなドア-本来の目的に配慮する必要はあまりないのかもしれません。

 いっぽうこのような内開きドア-のお蔭で助かった例があります。たとえば、かって、全日空機(外国製)がハイジャックされて機長が殺害された機内で、最後の瞬間に副操縦士が客室側からドア-を押し破り操縦室に簡単に飛び込むことができ、ハイジャッカ-を押し捕らえて飛行を安全に続けることができたと報道されていました。この場合、簡単にドア-を押し破ることができたのは操縦室のドア-が内開きであったからだと思います。もし、これが日本の家屋のように外開きだったらいくら副操縦士が体当たりしてもそう簡単にはドア-は破れず、仮に押し入ることができたとしてもかなりの時間を要したはずです。
この場合、内部からはドア-が押し破られないような策がなにもなされていなかったのも幸いしています。もっとも、航空機の場合は機種によっては外開きになっているものもあります。この場合、やはり操縦室の狭い小型機では外開きになっています。

 つまり、ドア-ひとつにもやはり歴史的な背景がおおいに影響しているようです。海外の内開きドア-はあくまでも防御という概念が無意識に存在するという歴史的背景があります。このように考えてみますと、外開きドア-はさあいらっしゃい、という無防備状態であることを間接に第三者に示しているものとも理解することもできるかもしれません。

 その逆にヨ-ロッパなどでは外のものを中にいれることに対しては意外と可なりの抵抗感が現在でもあります。ドア-に付属するものに鍵がありますが、このドア-と鍵はかならず一体となっているのが常識です。ところが典型的な日本の家屋での障子、襖などには全く鍵はありません。著者が子供の頃は都会での家屋の玄関戸の鍵は夜になって最後にかけるものであって、出入りのたんびにいちいち鍵はかけませんでした。今でも農村では日中は家の鍵をかけない場合が普通ではないのでしょうか。現在の感覚から言えば、さあ皆さん入っていしらっしゃいということを間接に公開しているようなものです。

 日本では常識になっているアパ-ト、マンションにみられる外開きドア-の建築方式の是非をこの機会に改めて根本的に見直してはどうなのでしょうか。そうすることは間接的に現在の日本の狭い住宅環境を今一度見直して、少しは広い部屋のある家屋構造に改善するよい機会になるかもしれません。しかし、忘れてはならないことは機能的、実用的という見地からみたとき、日本古来の引き戸式ドア-ほど最高なものはありません。ヨ-ロッパでも新しいマンションのキッチンなどのドア-は日本式の引き戸式ドア-が採用され始めています。すくなくともマンションなどの室内すべてのドア-が日本式になったらかなり便利になると思われます。もしかすると、このような機能的・実用的な日本古来の引き戸ドア-が海外で見直され、それが日本に逆輸入されるまで待たなけれぱならないのかも
しれません。ここにも外開き文化が影響しているのかもしれません。

 それにしても最近の温暖化現象、環境の変化などに関連して週刊誌などでもこの点に焦点を当てた記事も散見されます。たとえば、もし東京にかっての東海豪雨482 ミリ/ 日が降って、荒川が大決壊したならば地下鉄内を濁流が走り、東京の下町は四メ-トルの水の底になるとのシミュレ-ションが報じられていました。もし、本当にそのような事態になったとすると、ドア-が外開きの日本の建物内では予想以上の悲劇が起きるかもしれません。そうなると単なる文化・社会習慣の相違だけではすまされなくなります。とすると、今からそのような観点からのドア-のあり方を至急検討、改善する必要があるかもしれません。.

でも、最近の洪水に関連して知らされていることは建築基準法では多数の人々を収容する施設(映画館とか百貨店とか)は外開きになっているとのことです。ただ、これは入り口に関連していると考えられ、確かに正解なのです。しかし、室内とか地下室などは内開きにすべきなのです。もっとも、建築基準法はあっても、水害対策法のような法律はないでしょうか。

2012年4月11日 (水)

私の架空発明(14) 電気を使わない暖かい便座

電気を使わない暖かい便座

 

日本での便座は電熱方式のものがほとんどですが、欧州では全くと言っていいくらいそのような便座は普及していません。むしろ、そのような温かい便座は誰かが座った直後の感触があるからと言って、嫌われることすらあり、とても日本人の感覚からは理解できません。もっとも、そのような温かい便座を経験したことのない人にはあの気持ち良い感触はわからないでしょう。とくに、冬の寒い時期にはたとえトイレの室温が二十度以上でも、便座に座った瞬間の冷たさは不快そのものです。欧州の普通の便座は白い合成樹脂のようなものでできているのが普通ですので、清潔に保つには便利ですが、日本の暖かい便座になれた人にはとても我慢できないこともあります。時として、木製の便座もありますが、衛生面ではあまり感心しません。

 

それで、考えたのですが、現在ではいろいろな新素材が開発されていますので、電気を使わない温かい感触を与える便座を考案することです。つまり、特殊な素材を便座の表面にコティングのような形で張り付けるのです。日本には高機能の繊維の新素材がいろいろと開発されています。それらの性能は「接触冷感」「吸水速乾」「発熱」「消臭」「抗菌」「紫外線遮断」「芳香」などの機能が付けられた新繊維がたくさんあります。

 

これらの新機能の繊維素材を使った便座が出来れば、座っても冷っとした感覚をなくすことが出来ます。そうすれば電気も使わないで済みます。

 

つまり、そのような超革新的な繊維を便座にカバー方式で着けるのではなく、フィルムコーティングのような方式で便座と一体化するのです。そうすれば清潔に保つのも簡単ですし衛生面をも十分に考慮することが出来ます。できれば、さらに「抗菌・制菌」機能のものを併用できれば最高です。

 

なお、このアイデアをTOTOに提案したところ、珍しく前向きに検討しますとの返事がきました。

 

2011年6月16日 (木)

太陽光利用の暖房

もう一つの太陽光利用方法

 

最近の原発事故以来、代替えエネルギー問題が再燃し、そこには必ず太陽光の利用があります。実際に太陽光を利用する方法としては発電パネルが主体で、屋根に置く太陽光利用の温湯補給もありますが、極めてその利用は限定されています。このソーラーパネルによる発電は確かに太陽光の豊富な地域ではかなりの発電力が期待されますが、直接暖房には使えず、一旦電気に変えてからその電力で暖房装置を動かすことになります。

そのほかにも太陽光を暖房に直接利用する方法があります。それはスイスで使われている太陽光利用の暖房設備で、このような設備は意外と日本ではあまり知られていないようです。この方法は建物の南側の壁面全体に太陽エネルギーを貯蔵するシステムです。この装置は外壁と室内壁との間に細いガラス管をまんべんなく並行に詰めた大きな壁に日中の太陽エネルギーが貯蔵され、夕方から夜中にかけてその貯蔵されたエネルギー熱が室内に向かって徐々に放熱され室内の壁が暖かくなり、一日中太陽が照っている場合には冬の寒い時でも室温が20℃近くに夜中まで保たれます。したがって、冬の寒い日にも日中に太陽が出ていれば夜も暖房は要らないのです。もっとも、この場合には建物全体がかなり断熱状態が良好な場合であって、室内の暖気が容易に外に逃げていくような状態ではこの設備の効率は悪くなります。夏にはこの設備の外側にブラインドを下ろして太陽エネルギーを遮断します。
この方法の詳細については建築雑誌「住宅建築」(1998/12:54-57 建築資料研究社)に私が報告してあります。

以下にこの建物の概観の写真をお示しします。この写真の南側にある黒っぽい装置は通例の発電用のソラレパネルなのですが、壁に直接装置され、窓やガラス戸の両脇に見られるやや茶色様壁が太陽熱集積パネルになっています。

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でもこのような簡単な装置が日本で活用されていないことはまことに残念です。

 

 

2010年12月18日 (土)

私の架空発明 (5) 家庭内トイレの立ちション対策  立ちションマット

家庭内トイレの立ちション対策

男性が居る家庭内でのトイレの問題の一つに男性が小用のときに、多くの男性はズボンの前を開いての立ちション便なのです。これがどうして問題かと言うと家庭内にある西洋式の通常の便器は座って使うものなのですが、男性の小用のときには多くの人はたったまま放尿するのです。もっとも、ある統計では30-40%の若い男性は「座りション」とか。

しかし、最近の若い人はジンズを穿いているので、なかなか思うように用をたせないので、ジンズを下げて便器に座って放尿するので問題はないようです。確かに最近のズボンは前チャックの長さがジンズなみに短くなっており、立ちションは困難になっているのです。

ここで立ちションの時の問題は放尿後に必ずと言って尿の一滴か二滴が床に落ちるることです。理論的にはずっと便器の前に二歩、いや三歩進んで用を足せば問題はないのですが・・・。これが家庭の主婦を悩ます一つなのです。便所の掃除は男性や子どもは自分から進んでやろうとはあまりしません。この問題は世界共通であり、一部の国では立ちション禁止のラベルを売っている所もあるくらいです。

この問題は男性、子どもが小用の時にもズボンをずり下げて便座に座って用を足さない限り永遠の問題なのです。確かに、トイレに入って便器の前の床に点々と尿のしみが残っているのを見るのは気持ちのいいものでありません。

そこで、一つの便法として、便器の前の床に特定の試薬を含ませた濾紙状のマットを敷くのです。このマットには尿中の常在成分である尿素と反応する試薬をあらかじめ染み込ませておくのです。そして、尿滴が落下して濾紙に染み込んだ時点で試薬と反応して着色するようにするのです。出来れば赤色のような目立った色にするのです。しかも、試薬を花弁状に染み込ませておけば、尿と反応して濾紙に赤い花が咲くのです。ですからいくつの花が咲いたかは尿滴の数に該当し、もし同じ場所に次回も尿が落下すれば、その赤い花弁がさらに赤くなるように工夫するのです。

したがって、マットのように便器の前に敷いた濾紙の花の咲き具合で汚れを目でみることができ、適時この濾紙マットを交換すればよいのです。
このような濾紙マットそのものをつくるのは簡単なのですが、どこかの企業がやってくれないものでしょうか。

追記  この案をトイレッタリ製品の小林製薬に提案してのですが、断られました。

小林製薬株式会社 お客様相談室の佐伯と申します。

平素は弊社製品をご愛用頂きまして、誠にありがとうございます。
また、「家庭内トイレの立ちション対策」につきましてご提案を頂戴し、心よりお礼申し上げます。

折角、ご連絡頂きましたのに、誠に心苦しく存じますが
小林製薬では、お客様からの製品のご提案をお受けすることは、ご遠慮させて頂いております。
ご期待に添えず、大変申し訳ございませんが、鈴木様の大切なアイデアになりますので
何卒ご理解を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

また、何かご質問やご意見などございましたら、ご遠慮なくお問い合わせ下さい。
今後とも小林製薬をよろしくお願い申し上げます。
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小林製薬株式会社 お客様相談室    担当:佐伯


追記(2014 Jan)
  この「立ちション」問題は世界共通であり、その対策の一つとして最近売り出されたのが小型の発信機で、これを便座の裏に張り付けるものなのです。この発信機は便座が上にあげられると自動的に「たちションはダメ。座ってください」との声が出るのです。はたして効果が出るでしょうか。

本来、男性のカラダは立って尿を足すようにできている。尿を前へと飛ばすために、腹筋と骨盤底筋に力を入れて排尿しなければいけないところを、座りションだと体内で尿道が塞がれてしまうのです。そのため、すべて出きらずに長い尿道の途中に、尿が残ってしまう可能性があるのです。

そのような結果として、「座りション」派の男性の場合にはさらに、排尿障害や前立腺肥大、前立炎症を起こす可能性があるとのことです。最悪のケースだと、この炎症から膀胱がんや精巣がんになる危険性も指摘されているのです。

このように考えると、基本は「立ちション」なのです。そもそも男性が立ちションで便器の下に滴下させない努力をすれば問題はなくなるのですが、それにはまず家庭内での男性全員に対する教育が必要なのです。つまり、毎回の立ちションでまず下を見て、尿滴があれば紙で拭く、そして便器の内側の周りの部分もついでに紙で一回り拭く、くらいの習慣を持つようにさせるのが一番かもしれません。

追記(2018 March)
立ちションで問題なのは便器の手前に垂れ落ちる尿滴以外でもあり、それは便器の周り、そして床に便のしぶきが飛び釣ることなのです。そのため目には見えない尿のしぶきが毎回至る所に付着するので、毎回、トイレの紙で綺麗にふき取ることが必要なのです。
もっとも、立ちションでの尿のしぶきを防ぐ簡単な方法があるのです。それは立ちションする前に、台所用の液状洗剤を一滴落としてから、立ちションをするのです。そうすると上からおちてくるの尿によって小さな泡がたち、その泡によって尿のしぶきが飛び散ることがかなり防げるのです。ですから、立ちションをする人の家庭の便器には小さい瓶に液剤をいれたものを置いておけば、小便をする時にはその一滴を垂らしてから放尿すると尿のしぶきが飛び散ることがかなり防げるのです。

このような観点から、どこかの洗剤メ-カ-が「立ちション起泡剤」のようなものを作って発売したら売れると思うのですが・・・。勿論、その中に香料を入れればよい製品が出来るのです。

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