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2023年11月15日 (水)

重国籍黙認への変遷  その④

その⑦

 

 しかし、意外と知られていない、このような現実、つまり、戸籍喪失届が提出されていない現実を理解すると、海外には実際に、日本の国籍と外国の国籍を共有している人、つまり重国籍者、はゴマンと存在するのです。このような状態は、重国籍の存在が"黙認"されていると、理解されても致し方が無いのです。

 

まず、現実に重国籍を明確に所持、併用している場合は、外国人と結婚した日本人女性の場合なのです。海外で、外国人と結婚した日本女性は多くの場合、自動的に結婚相手の国籍が自動的に与えられることがある(或いは、あった)のです。この場合にはそのような日本人女性は外国籍と日本の国籍との両方の国籍を所持していることになり、日本の国籍法という法律には違反しないのです。つまり、このような場合には、重国籍維持が黙認されていのです。それは当然のことであり、国籍法の条文にある「 自己の志望・・・」とは関係がないからです。しかし、このような場合の実態調査(つまり、潜在的重国籍者の統計)は可能なのですが、政府はそのことに関してはまったく関心がないのです。

 

その一方、別な観点からの判断によると、所謂「潜在的な重国籍者」が存在するのです。この場合は、国際結婚で日本人の子供として生まれた時には日本人の父親、或いは母親がが出生届を提出して、日本の戸籍には載るので、その子供も日本人になるのですが、その子供が成長し、青年になり、そのまま現地での生活、仕事を続けて、日本の旅券を使わないような場合も数多くあるのです。その結果、日本には戸籍が継続して存在しているのですが、日本の旅券の更新をせずに外国人として海外で生活、活動している場合なのです。。このような人の場合のように、外国人として海外で生活し、日本の旅券はまったく使わなくなっている場合もかなりの数になるのです。つまり、このような場合には日本に戸籍が存在する限り、その人は日本人でもあるのですが、日本の旅券をまったく使わず、その有効期限が来ても更新しない例は意外と多いのです。このような"潜在的重国籍者"という概念、理解はいままで誰も理解していないことは驚きなのですが、日本にのみ生活している日本人にはそのような人たちの存在を認識してもらうこと自体が無理なのかもしれません。

 

このように、(1) 国籍法違反ををしても戸籍喪失届を出さないことにより戸籍が存在、 (2)外国人と結婚した女性で、自動的に外国籍を与えられている場合、そして (3)海外での生活にのみ専念して、日本の旅券を全く使わない人、の三種類の「重国籍者」が現存するのですが、それぞれの実態調査は全くなされていないのです。つまり、このような場合の実態は全く不明であり、日本政府はそのような"潜在的日本人"の実態調査にはまったく関心がないのです。

 

   つまり、重国籍者が"日本の旅券を更新せずにまったく使用しない現実例"、そして、"結婚により、自動的に外国籍が授与されてる女性の場合"、最後には、"国籍法に違反しても、戸籍喪失届を出さない例"、の三種類の重国籍者が現存するのです。このように理解すると、法的には日本は重国籍を認めていませんが、現実には重国籍は「黙認されている」と解釈することも出来るのです。


もっとも、国籍法の条文の解釈を柔軟に解釈できる場合を考慮すると、「自らの意志」以外での場合の重国籍者が理論的には可能であるので、このような例を加算すると、四種類の重国籍者が存在することになるのです。

 

 

 

 

結語

 

  このような現状を考慮すると、現在の日本の少子高齢化社会では、日本の国籍有無とは関係なく、何十万人、いゃ、もしかしたら何百万人と言う膨大な数に上る海外居住日本人が、将来的には日本社会への大きなプラスにもなるのです。つまり、現在の海外邦人社会はある意味では将来的には、日本社会に大きく貢献できる可能性が高いのですが、このような可能性の存在は日本の施政者の頭の中には未だ存在しないようです。ちなみに、海外に居住している日本人、つまり、海外で暮らす長期滞在者と永住者は合計約130万9000人(22年10月1日時点)とのことです。しかし、前述のように重国籍が黙認されている現実を考慮すると、海外で生活し、活動している"日本人"は膨大な数になるのです。

 

 

 

  現在のようなIT社会では有能な日本人が世界のどこにいても日本への貢献は問題がなくなることになるのですので、現在のような海外居住の日本人は、日本に居住しているかどうかは殆んど関係がなくなりつつあるのです。周知のように、最近の会社員はかならずしも従前のように事務所に毎日出かけて仕事をしなくとも、家庭でも出来ることは当たり前になっているのです。これと同じことが、海外在住者の場合にも当てはめることはできるのです。しかし、残念ながら、現在の施政者にはこのような柔軟的な視点はいまだに持ち合わせていないのです。

 

   従って、今後はそのような視点からも海外の在留邦人をもっと活用すべきではないでしょうか。もっとも、このような将来状況を念頭に置くと、国籍問題は殆ど重要性が無くなるかもしれません。

 

   ある意味では、基本的には外国籍を取得した場合には、現在の根本概念、重国籍を認めない、という絶対論ではなく、希望すれば「外国籍を取得しても日本の国籍を維持することも出来る」のような柔軟な解釈を11条に明記、改定することにより、解決できるのです。結果として、上記に記述されている色々な国籍維持、喪失の状況が問題なく解決できることになり、今後は海外で活躍している日本人をも、国内で活躍している日本人と同様に認識して、大いに活躍できるようにすべきではないだろうか。

 

   その結果として当然ながら国籍法条文の柔軟性解釈がそのまま認められることにもなるのです。ちなみに、世界の多くの国は重国籍を認めて居るのです。

 

   このような解釈、理解を真剣に検討すれば、将来的には「海外邦人省」のような新しい組織が必要になるかもしれません。

 

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