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2022年5月の記事

2022年5月31日 (火)

海外で外国籍を取得してもその状況如何によっては旅券更新が可能であること

特に私が強調したいことは現在の国籍法11条が世界で活躍している日本人に対していとも簡単に日本の旅券更新を拒絶していることです。
殆どの海外居住の日本人はこの旅券更新拒否の解釈を厳密に考えたことがないのが大きな欠点なのです。私も以前はそのように解釈していて、国籍法11条の法文についての疑義を持っていなかったのですが、ある時、私の疑問に関して法務省、いゃ、外務省に問い合わせた時の返事が以下のようになっているのにはある意味では、柔軟性があることなのです。これは私の勘違いで、>法務省ではなく外務省領事局旅券課です。

 


その回答は、以下のようになっています。


 


『我が国では日本国籍の得喪は国籍法が規定しており,同法第11条は,「日本国民は,自己の志望によって外国の国籍を取得したときは,日本の国籍を失う。」と規定しています。仮に日本旅券を有していても日本国籍を喪失している場合があるため,旅券を発給申請されるときに,申請者が外国籍を有しているかどうかを確認し,有している場合はそれに至った経緯,事情等をお聞きした上で,場合により必要な書類(滞在国の滞在許可証や査証等,日本人として滞在国に滞在していることが確認できる書類,又は,外国籍を有している場合には外国旅券等の国籍証明書等)の提出又は提示を求め,国籍法第11条に該当するか否かを確認します。


 


提出又は提示いただいた書類により,外国の国籍を有していることが判明しても,国籍法第11条に該当しないことが確認できた場合には,通常どおり旅券を発給します。一方,外国の国籍を有するに至った経緯が国籍法第11条に該当し,日本国籍を喪失していると判断された場合には,旅券は発給されません。なお,申請者が自己の志望により外国の国籍を取得したのではないと主張される場合には,その根拠となる資料を提出又は提示いただいた上で判断することになります。』


 


 


 


つまり、ここで理解すべきことは「自己の志望」の解釈なのです。私が質問した背景にはこの解釈で、「自己の志望」とは外国籍を取得する意図、つまり「志望」することの意味なのです。海外で外国籍を取得するという行為は、せざるを得ない環境、状態であって、外国籍を取得すること自体が目的ではないからなのです。


 


いずれにしましても、外務省の説明では11条の実施に際してはある程度の柔軟性があることで「自動的に」旅券更新拒絶ではないことなのです。でも、果たして海外の大使館、領事館の担当者がこのような見解を正しく理解しているかどうかははなはだ疑問です。、


 

2022年5月26日 (木)

海外在住日本人の旅券更新時の注意点

海外在住日本人の旅券更新時の注意点


 


旅券の有効期限が切れるときには担当機関、つまり大使館又は領事館、にて手持ちの旅券を提示してその有効期間の延長をしてもらうのですが、その時に必ず更新申請用紙に必要事項を記入することになるのです。しかし、ここで問題になる可能性があるのは主として海外で生活していて、滞在国の国籍をも持っている場合なのです。それは、この用紙の下に「外国籍を持ってます」の項があるのです。
もし持っていますとチェックを入れると結果的には殆どの場合、旅券の更新が出来なくなるのです。特に、海外居住日本人の場合には、申請時に滞在国の滞在許可証の提示を求められるのですが、もし持っていなければ、当然のこととしてその国の国籍を持っていることになりますので、領事館は"自動的"に二重国籍は認められていませんので、あなたの旅券の更新はできません、と説明、判断されていたのです。


 


確かに、国籍法には「自らの希望で外国籍を取得した場合には(自動的に)日本の国籍を失う」と定義されているからなのです。
ここで、問題なのは、ことに海外公館でそのような更新を申請する場合、殆どすべての公館の旅券担当者は国籍法の説明を行わず、無視して、いゃ、二重国籍は認められていないので、更新は出来ませんとの対応をするのが普通なのです。


 


ここでほとんどの人が気が付かないことは国籍法11条には「・・・自己の志望によって・・」と定義されているのですが、問題はその「自己の志望」の解釈なのです。


 


この「志望」という表現は極めて意味の強いものであり、「自己の志望」で外国籍を取得するのが目的であることと解釈することが出来るのです。例えば、大学受験でどの大学に行こうかということは自らの「志望」であって、明らかな「目的」「原因」「意図」であり、目的そのものなのです。ところが、海外生活で、該当国の国籍を何らかの理由から、取得することは現地での生活、活動のために必然的に必要性が生じての「結果」なのです。ですから、外国籍を取得することは、海外で生活の必要上滞在国の国籍をも取得せざるを得ない場合なのです。


 


物事の判断には必ず「原因」があって、初めて「結果」が得られるのです。しかし、国籍法の条文にはなぜ外国籍を取得しなければならないのか、と言う原因が全く考慮されておらず、その原因の結果としての「自己の志望」に進展するのです。ですから、そのような「単なる自己の志望」は全く関係がなく、必要性に応じて外国籍を取得することは全く概念が異なるのです。


 


つまり、海外に居住して活躍している人で、敢えて外国籍を意図的に取得する必要性のない在外日本人は「自己の志望」で外国籍をわざわざ取得して、日本人であることを放棄する人は全く存在しないのです。


 


ですから、条文にある「自己の志望」の語句の解釈、理解に際しては、「自己の志望」なる表現は日本の国籍を意図的に、何らの目的もなく機械的に放棄することを意味していると理解すべきなのです。つまり、自己の志望で外国籍を取得することは日本人であることを意図的に意識して放棄する場合になるのです。


 


しかし、残念ながらほとんどの人は国籍法の条文の存在、並びに意味を理解せずに、海外公館の説明に従って、最終的には毎年、平均して2000人前後の人が国籍喪失届を提出しているのです。


 


したがって、特に海外公館で、旅券の更新するときに、担当官からあなたは外国籍をも持っているので、重国籍は・・・、云々と説明されたときに、私が外国籍を取得したのは、外国籍だけを取得すること自体が目的ではなく、取らざるを得ない結果として外国籍をも持っているのであって、決して初めから外国籍を取ることが目的ではないのですと、説明すれば海外公館の担当官は自動的に旅券に穴をあけることは出来なくなるのです。


 


すなわち、「外国籍を取得せざるを得ない状況になったので、外国籍を取得したのであって、初めから外国籍だけをとる目的ではなかったので、決して外国籍そのものの取得が目的ではないのです。ですから、「自己の志望」には該当しないのです」と説明すれば、旅券の更新は可能なのですが、そのような知られざる概念、理解は申請者本人や肝心の大使館員もそのような理解は持っていないのです。

なお、このような観点から、私が外務省旅券課に直接問い合わせたところ、以下のような返事が届いたのです。この返事からも、やっと政府は11条の解釈が柔軟的になされるようになっていることが分かります。しかし、このような柔軟性のある解釈は殆どすべての大使館員、領事館員は未だに持っていないのです。


 


以下が私の質問に対する外務省の返事なのです。


 


 


 


投稿者 様 (これは私です)


 


外務省ホームページに対して,在外公館における旅券(パスポート)の申請の際,外国籍を有している場合の対応につき御照会をいただきました。


 


日本旅券の発給は,日本国籍を有していることが要件です(旅券法第18条第1項第1号)。このため,旅券発給に際しては日本国籍を有していることを確認しております。


 


我が国では日本国籍の得喪は国籍法が規定しており,同法第11条は,「日本国民は,自己の志望によって外国の国籍を取得したときは,日本の国籍を失う。」と規定しています。仮に日本旅券を有していても日本国籍を喪失している場合があるため,旅券を発給申請されるときに,申請者が外国籍を有しているかどうかを確認し,有している場合はそれに至った経緯,事情等をお聞きした上で,場合により必要な書類(滞在国の滞在許可証や査証等,日本人として滞在国に滞在していることが確認できる書類,又は,外国籍を有している場合には外国旅券等の国籍証明書等)の提出又は提示を求め,国籍法第11条に該当するか否かを確認します。


 


提出又は提示いただいた書類により,外国の国籍を有していることが判明しても,国籍法第11条に該当しないことが確認できた場合には,通常どおり旅券を発給します。一方,外国の国籍を有するに至った経緯が国籍法第11条に該当し,日本国籍を喪失していると判断された場合には,旅券は発給されません。なお,申請者が自己の志望により外国の国籍を取得したのではないと主張される場合には,その根拠となる資料を提出又は提示いただいた上で判断することになります。


 


投稿者様におかれましては,今後とも旅券行政への御理解と御協力のほどよろしくお願いいたします。


                                  令和元年11月


                                  外務省領事局旅券課


 


 


このような返答では場合によっては外国籍を持っていても日本の旅券の更新が可能であることが明言されているのですが、残念ながらこのような柔軟性への理解は今までは誰も持っておらず、またそのような可能性があることは全く知られていないのです。ですから、もし、このような柔軟性が積極的に大使館、領事館が持っていれば、例えば、アメリカで研究活動している日本人、(いゃ、現時点ではアメリカ人)ノ―ベル賞受賞者全員が日本国籍そのものを維持できていたのです。


 


 

2022年5月23日 (月)

人の涙の伝染性 ?

長年連れ添った妻が一週間の昏睡状態から、静かにこの世を去りました。
一人になってからの大きな悲劇は、毎朝ひとりで朝食をとっているときに、妻が居ないことであり、自然に涙が出てくることなのです。さらなる悲劇は家内の墓地が自宅の近くなので、窓からその墓地が見えることなのです。

このように涙がひとりでに出てくることは単に亡くなった妻のことだけではなく、新聞やテレビなどでの悲しい出来事を読んだり、見たりしている時にも自然に涙が出てくるようになっていることに気がつくことなのです。ある意味では私の涙腺が大きく緩んでいるのかもしれませんが、こればかりは制御することが不可能なのです。

一人での生活になるといっても、長年の伴侶が突然のように去っていき、一人での生活になるという心理はただ単に独身生活の一人での生活とは根本的に異なり、そのような環境下での一人の生活を他人に理解してもらうにはかなり無理があるのではないでしょうか。このような生活がいつまで続くかは予想も想像もできませんが、おそらく人が自然に泣けるような心理状態は永遠に続くのかもしれません。

このことに関連して、私が思うのは、ある意味では人の涙には感染力があるのかもしれません。

なぜこのようなことを敢えて書くかと言うと、スイスのテレビにJuliaという番組があり、この番組ではいろいろな環境下で別れ別れになった兄弟とか、親子などを世界的に探し出して再会させる珍しい番組なのです。この番組では最後には何十年ぶりに再会出来た二人が抱き合って涙を流しながら再会を喜ぶことの連続なのです。この番組を毎回観ていて、最終的に再開がかなったシ―ンを見ていると私も自然に涙ぐんでしまうのです。こればかりはなんとも致し方がないのです。

人の感受性には大きな差があることは分かりますが、問題はある条件下では見たり、聞いたりするだけで感受性が高まり、自然に涙が出てくることは、稀かもしれません。また、このような感受性には個人差や年齢差が関与するのかもしれません。ですから、このような番組をみていても全然感動しない人もいるるのです。

なお、欧州などでは人同士の抱擁とい行為はごく自然に出てくるのですが、日本では人前でそのような抱擁をすることはまず考えられません。でも心理的にはそのような気持ちは湧いてくるかもしれませんね。このことに関連して、私が久しぶりに日本に帰った時に、姉に逢ってから、別れの時に欧州での習慣が自然に湧き出して、姉と抱擁したのですが、姉は初めてのことであり、殆ど反応が無かったのですが、一緒に来ていた娘が「あたしにもして」と言ってきたのは少し戸惑ったのですが、私は自然に抱擁してあげました。このような行為は誰でも心理的には潜在するのでしょうが、日本ではまずそんなことは人前ではできませんね。

つまり、日本では人の感受性、とくに「喜怒哀楽」の表現表示は最初の喜怒だけであり、哀楽は出来るだけ人前では表せないのかもしれません。

2022年5月18日 (水)

咀嚼回数と健康維持

健康維持にはいろいろな方法があり、それぞれの特徴もあり、単純には判断できないのです。

特に食事に関連しては何をどのようにして食べるかとの情報はゴマンとありますが、意外と無視ないし軽視されていることはそれらのものを食べるときの咀嚼回数なのです。

咀嚼に関連しては、咀嚼能力と大きく関連しているのは咀嚼回数なのです。このことは意外と軽視されています。特に若い人は咀嚼回数はかなり少なく、いわゆる「早食い」の傾向が強いのです。このような習慣が身についてしまうと長い一生での影響は必ずしも軽視できないのですが、咀嚼回数と健康状態との関連性にしての疫学的研究は皆無なのです。一口に健康状態と言っても色々な要因、疾患などが関与してきますので、ただ咀嚼回数だけではかなり無理があるかもしれません。

しかし、長期にわたって、この点に焦点を当てた疫学的研究をすることにより、ある程度の関連性を知ることが出来るかもしれません。

何しろ、日本の若い人たちの食事における咀嚼回数は極めて少なく、あっという間に食事を終えてしまうのです。

これは私の持論なのですが、食事時の咀嚼回数は毎回、三十回を基本とすべきなのです。つまり、毎回、食べ物を口に入れたら、もぐもぐと三十回咀嚼することなのです。これは食べ物のの硬さとか柔らかさとは関係なくすることなのです。

このような習慣を毎日実行しているとある意味では長期的に健康維持にもつながる可能性は大きくなるのです。

しかし、問題なのはこのような習慣を身に着けてしまうと、会食のような時が問題なのです。つまり毎回、三十回も噛んでいると誰よりも食事が終わるのが極端に遅くなってしまうことなのです。ともかく、普通の人達の咀嚼回数は極めて少ないので、他の人たちが食事を済ませても、三十回も咀嚼をしている場合は他の人と比べると未だ食事の半分位しか済ませていないことになるからです。特に、日本では軽食などを提供する簡易食堂は立ち食いのところが多いので、あっという間に済ませることが求められるからです。

 

 

 

 

 

2022年5月12日 (木)

現在の旅券は外務省設置法違反

皆さんが海外両行に際して手にする日本の旅券の最初の頁に書かれてある文章を読んだことがありますか。殆どの人は全く関係のない文章としてその意味を理解することは皆無だからです。

 

現在の旅券には以下の文章が記載されています。

 

日本語
『日本国民である本旅券の所持人を通路故障なく旅行させ、かつ、同人に必要な保護扶助を与えられるよう、関係の諸官に要請する。 日本国外務大臣(公印)』
英語
『The Minister for Foreign Affairs of Japan requests all those whom it may concern to allow the bearer, a Japanese national, to pass freely and without hindrance and, in case of need, to afford him or her every possible aid and protection. 』

 

なお、日本語では「要請」となってますが、英語では「request」となっています。でもその意味するところのニュウアンスは 英語の方が強いと思うのです。

 

 

この旅券の文章を熟読するともし海外で何らかの問題、例えば事故とか災害に逢った時、日本の大使館は基本的には何らの手助けをしてくれないのです。つまり、そのような場合、もし日本人が海外で何らかの援助を必要とするような場合には滞在国政府にその援助をお願いしますと旅券に書かれてあるからです。

 

 

この旅券に書かれてある文面は旅券が最初に発行された明治時代と殆ど変わりがないことなのです。最初の旅券に書かれてある文面は以下のようになっていました。

 

「右ハ『官命ニ依リ佛國、英國、伊國、獨國及ビ米
國ヘ』(以下余白)赴クニ付通路故障ナク旅行セシ
メ且必要ノ保護扶助ヲ與ヘラレン事ヲ其筋ノ諸官ニ
希望ス

 

ここで興味のあることは、当時の文面には「希望」との用語が使われていたことです。

 

このように何か問題があったら、なんとか援助をお願いします、と言うのが明治以降連綿として日本の旅券に記述されているのです。

 

 

しかし、意外と知られていないことは外務省設置法という法律があることなのです。この設置法という法律の中に書かれてあるのは「海外における法人の生命及び身体の保護」と言うことなのです。つまり、海外での邦人保護は政府の責務なのです。

 

しかし、現実には日本の旅券には邦人保護の原則は該当滞在国の政府にお願いしますという明治時代の慣習そのものを未だに平気で日本の旅券に記載しているのです。これと似たような文章をわざわざ旅券に記載しているのは世界の国の中でも日本だけなのです。

基本的には現在の旅券に記載されている文章はある意味では法律違反なのですが、誰もこの文章に関しては関心がないのです。

 

因みにこの法律はなんとつい最近になって出来たのです。
平成十一年法律第九十四号
外務省設置法
目次
第一章 総則(第一条)
第二章 外務省の設置並びに任務及び所掌事務
第一節 外務省の設置(第二条)
第二節 外務省の任務及び所掌事務(第三条・第四条)
第三章 外務省に置かれる職及び機関
第一節 特別な職(第五条)
第二節 特別の機関(第六条―第十二条)
第四章 名誉総領事及び名誉領事(第十三条)
附則

 

第四条 外務省は、前条第一項の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる。
一 次のイからニまでに掲げる事項その他の事項に係る外交政策に関すること。
イ 日本国の安全保障
ロ 対外経済関係
ハ 経済協力
ニ 文化その他の分野における国際交流
二 日本国政府を代表して行う外国政府との交渉及び協力その他外国(本邦の域外にある国又は地域をいう。以下同じ。)に関する政務の処理に関すること。
三 日本国政府を代表して行う国際連合その他の国際機関及び国際会議その他国際協調の枠組み(以下「国際機関等」という。)への参加並びに国際機関等との協力に関すること。
四 条約その他の国際約束の締結に関すること。
五 条約その他の国際約束及び確立された国際法規の解釈及び実施に関すること。
六 日本国政府として処理する必要のある渉外法律事項に関すること。
七 国際情勢に関する情報の収集及び分析並びに外国及び国際機関等に関する調査に関すること。
八 日本国民の海外における法律上又は経済上の利益その他の利益の保護及び増進に関すること。
九 海外における邦人の生命及び身体の保護その他の安全に関すること

 

 

ここで問題なのは九項にある法文なのです。この法文は明らかに現在の旅券の最初の頁に書かれてあることとは正反対なのです。もっとも、この条文だけでは具体的にどうするかとの記述がないので、もしかしたら「そのような場合には外国政府に依頼することであり、現在の旅券に書かれてあることと矛盾はしません」との答えが返ってくるかもしれません。

 

 

或いはこの外務省設置法と言うのは単なる指針であり、この法律に違反してもなんらの罰則もないので、現在の旅券に書かれて文章自体は法律違反の対象にはならないのです、となるかもしれませんね。

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