私のあだ名 、ゲラオさん 「笑いの医学」
私のあだ名 、ゲラオさん 「笑いの医学」
このブログの名前が「ゲラオさん」となっているのですが、私は学生のころからよく笑っていたので、いつのまにか「あだな」がゲラオさん、になっていたのです。
日本語でも、「げらげら笑う」という表現があるのですが、このような表現は何処から来ているのでしょうか。
不思議なことに笑いに関連した学会もあるのです。そのような専門領域はGelotologyと言うことで、なんと日本語の「げらげら笑う」のげらげら、の発音と類似しているのです。このようかな学会の活動は殆ど注目されていないのですが、その理由は笑いで、病気を治す、なんていうことは病院ではありえないからなのです。ですから、このようなことを書いていると多くの人から笑われるかもしれません。もっとも、この記事をみて、笑う人は間接的にこの記事が意味あることを間接に実行、理解しているとも解釈できるかもしれません。
しかし、笑いが場合によってはいろいろな病気を治すこともあるのですが、現代医学ではこのような領域は完全に無視されているのです。つまり、「笑い」を医学的に研究するなんて言ったら、それこそ笑われてしまうからなのです。
確かに、最近ではこのgelotology関連の記事や論文はどこかに行ってしまい、だれもこの分野には関心がないのです。「笑いと医療???」、そんなことは現代医学からみたら昔話なのかもしれません。
でも、笑うだけでいろいろな症状が軽くなったり、予防効果があったりするのは誰でもできるとはならないのです。その大きな理由は自ら会話の中で笑うことは不謹慎であり、場合によっては不快感を与えることにもなるからです。ましてや、一人の生活の中では笑いは完全に不可能の世界に行ってしまうのです。その典型的な例は、高齢者施設にいってみてください。そこで生活してる高齢者には笑いそのものが消えて、なくなっているのです。
でも、私が以前にこのGelotolgy関連の学会に参加していた時にいろいろな記述、論文、総説等などを読んでいましたので、それらの一部を以下に記しました。
ユ―モア医療の実際 スイス・テオドラ財団の活動例
RAD-AR News Vol.16, No.3 p.6-7
Stiftung Theodora www.theodora.ch 世界のどこでもいろいろな諺があり、その中で共通しているもののひとつに「笑いは健康のもと」がある。これは昔からの言い伝えであって、往時は特別に科学的、医学的根拠があって使われていたわけではなかった。しかし、最近ではこの笑いが、医学的にも十分なデータが得られ、医療上意義があるものとして研究され、注目されるようになりつつある。 すなわち近年、この笑いと医療とを直接結びつけた「ユ-モア医療(humor therapy)」という概念が欧米で普及し始め、この分野の研究はgelotologyと呼ばれている。 ユ-モア医療の実際 ユ-モアと笑いは厳密には異なり、前者は行為であり、後者はその結果と理解できるが、基本的には両者は切り離すことができない性格のものである。最近のいろいろな研究から笑いのもたらす効用は以下のように要約することができる。 このような観点から、笑いを介したユ-モア医療を実際に病院で実施して成果を挙げているテオドーラ財団(http://theodora.org)の活動を紹介する。 この財団の目的はユ-モア、笑いを通して治療に貢献することであり、入院、とくにがん疾患など長期入院を必要としている子供たちにクラウン(道化師)活動を提供し、治療促進を期待するものである。 この財団の事業はいろいろな企業の善意による支援で運営されている。13年前にスイスに設立され、現在までにスイス国内のみならず、イタリア、英国、ロシア、ブラジル、香港の病院とも提携し、クラウン(道化師)活動を行っている。 現在、スイス国内の39病院、英国内の8病院、など、各国合計で89の病院を定期的に巡回訪問している。スイス国内では毎週一定の小児病院を訪問し、年間平均で5万5千人の入院児童を訪問している。 この財団に所属している通称「クラウン・ドクター(医師ではない)」は現時点では30人の陣容となっていて、英、独、仏、伊、各国語のグループに分かれている。基本的にはこれらのボランティアは、一定の訓練を受けて合格はた人たちなのです。 この笑い医学的効果は以下の様に要約されるのです。 1)ストレス解消に貢献する(アドレナリンとコルチゾールの分泌抑制))免疫機能向上(エンドルフィンの分泌促進、ナチュラルキラー細胞の活性化) 2)肺内ガス交換の促進(十分な酸素の補給) 3)横隔膜運動の加速(消化を促進、コレステリン値の減少) 4)顔面筋肉を刺激(顔に若さをもたらす) RAD-AR News Vol.16, No.3 (Sep. 2005) ユ-モア医療の実際 ~スイス・テオドーラ財団の活動例~ そして初めて「クラウン・ドクター」の資格を得ることができ、その後も定期的に再訓練が行われている。この資格を得るにはそれなりの芸術的なセンスがあり、また児童心理をも理解し、実際の治療にあたる医師と児童患者との間の橋渡し役を担えることが求められている。 ユ-モアを介在して笑いをもたらすことは意外に高度の技術を要するものであり、それなりの特別な訓練、教育が必要とされている。また実際にそのような人為的なユ-モア活動を提供する場合には相手の心理状況をも十分に考慮する必要があり、誰にでもこのクラウン活動が無条件で受け入れられるとは限らないのです。 たとえば、子供と大人ではそのようなクラウン活動への認容度、受け入れ感はかなり異なるからである。 実際にこの「クラウン・ドクター」が定期的に訪問している小児病院では、短い時間のクラウン活動ではあるが、入院児童たちはその訪問を楽しみにしており、間接的な治療効果が得られている。筆者がこの財団の講演会で感銘を受けたことのうちのひとつであるが、昏睡状態にあるひとりの入院児童に対して、他の子供たちと同じように「クラウン・ドクター」が演技をみせ、その後この子供が昏睡状態から覚めたときに、目を輝かせて何を見たかを話し始めたとのことであった。 日本での活動 この財団の活動は笑いを通して極めて特異的な活動をしていることになる。日本でも実際の治療にこのユ-モアと笑いが導入され、医学的な成果が確認、報告され始めている。例えば、筑波大学での実験では、実験の当日、絶食していた2型糖尿病患者19名(平均年齢64歳)と、同様に絶食をしていた対照健常人5人(平均年齢54歳)が同じ食事を摂り、その後退屈な40分の講義を聞かされた。そして、その翌日、両グループは前日と同じ食事を摂ったあと、すぐに40分の漫才を聞かされ、当然そこでは大笑いの場面が続発した。 この実験で、両グループで食前と、講義あるいは漫才に参加した後の血糖レベルをそれぞれ測定したところ、笑いの後での血糖値がかなり低いことが判明した。つまり、この実験では笑いが血糖値を下げたことになる〔Diabetes Care 2003, 26(5), p.1651〕。 また、日本医科大学での実験では、学生が狭い高圧酸素室に入って、1時間経過するとナチュラルキラー細胞は2割以上低下した。ところがビデオ装着型眼鏡でお笑い番組を見ながらだと、逆に3割以上もナチュラルキラー細胞が上昇した。このことからも「笑いと免疫」が密接に関与していることが証明されている(新聞報道)。 医学雑誌に発表された類似研究・10 分間だけ笑うことにより強直性脊椎炎の激痛が緩和された例(N. Engl. J. Med. 1976, 295:1458) 笑いにより間接リウマチの痛みが緩和された例(J. Rheumatol. 1996, 23:793) 笑いによりアトピ-性皮膚炎での免疫反応が向上した例(JAMA 2001, 285(6), 738) gelotology に関した研究団体、雑誌 アメリカを中心とした国際ユ-モア研究学会 International Society for Humor Studies (ISHS)
アメリカユ-モア医療協会 American Association for Therapeutic Humor(AATH)
国際ユ-モア研究雑誌 International Journal of Humor Research(http://humor.ch) 副作用のない医療 このように笑いの医療への効用について、医学研究がなされればよいのですが、現在のような環境では誰もそのような研究、調査には関心がないのです。ともかく、このような検討がいろいろとなされれば、まさに副作用が皆無の医療にもなるのです。 このように理解すると、その逆に癌になる人は殆んど笑わないのです。つまり、癌になる要因はいろいとあり、また個人差もあり、一概に、こうすれば癌になりませんと解説することは困難なのですが、この笑いについて言えることは、癌患者になる人は笑いが全くないと言ことはいえるのです。つまり、「逆説の真実」になるのです。 いずれにしても、「笑いと医療」で検索するといろいろな情報がみられます。 いずれにしても、毎日、笑うということは健康によいのですが、現在の医学教育にはそのような観点はゼロなのです。前述のように私の昔のあだ名が「ゲラオさん」であり、したがって、いまでも人との会話の中でもよく笑うのです。おそらく、そのような影響もあるので、91才になっても健康であるのかもしれません。この記事はかなり前に書かれたのですが、現在、つまり2024年では私は93歳ですが、何らの問題もなく好きなことを毎日いろいろな形で書いています。 でも、実際に一人での生活をしていて話し相手がいないときには笑うことは一人ではできません、しかし、こんにちのようなスマホ社会ではスマホのYoutubeを見ることより、笑うことは出来るのです。ですから、老人ホムなどでもこのようなことを積極的に老人に見せて笑わせることをすべきなのです。 追記 (2024 Sept) 最近の記事に以下のような報告がありました。 認知症予防・介護リスク減に笑いの力、誰と一緒に笑うのが効果的? https://mxb.nikkei.com/?4_--_320570_--_154062_--_2 確かにひとりで笑うことは簡単ではなく、またなかなかできないのは分かりますが、せめて電話をすることにより笑うことは出来ると思います。つまり、誰かと話しながら努めて笑えるような会話をすることです。
Stiftung Theodora www.theodora.ch 世界のどこでもいろいろな諺があり、その中で共通しているもののひとつに「笑いは健康のもと」がある。これは昔からの言い伝えであって、往時は特別に科学的、医学的根拠があって使われていたわけではなかった。しかし、最近ではこの笑いが、医学的にも十分なデータが得られ、医療上意義があるものとして研究され、注目されるようになりつつある。 すなわち近年、この笑いと医療とを直接結びつけた「ユ-モア医療(humor therapy)」という概念が欧米で普及し始め、この分野の研究はgelotologyと呼ばれている。 ユ-モア医療の実際 ユ-モアと笑いは厳密には異なり、前者は行為であり、後者はその結果と理解できるが、基本的には両者は切り離すことができない性格のものである。最近のいろいろな研究から笑いのもたらす効用は以下のように要約することができる。 このような観点から、笑いを介したユ-モア医療を実際に病院で実施して成果を挙げているテオドーラ財団(http://theodora.org)の活動を紹介する。 この財団の目的はユ-モア、笑いを通して治療に貢献することであり、入院、とくにがん疾患など長期入院を必要としている子供たちにクラウン(道化師)活動を提供し、治療促進を期待するものである。 この財団の事業はいろいろな企業の善意による支援で運営されている。13年前にスイスに設立され、現在までにスイス国内のみならず、イタリア、英国、ロシア、ブラジル、香港の病院とも提携し、クラウン(道化師)活動を行っている。 現在、スイス国内の39病院、英国内の8病院、など、各国合計で89の病院を定期的に巡回訪問している。スイス国内では毎週一定の小児病院を訪問し、年間平均で5万5千人の入院児童を訪問している。 この財団に所属している通称「クラウン・ドクター(医師ではない)」は現時点では30人の陣容となっていて、英、独、仏、伊、各国語のグループに分かれている。基本的にはこれらのボランティアは、一定の訓練を受けて合格はた人たちなのです。 この笑い医学的効果は以下の様に要約されるのです。 1)ストレス解消に貢献する(アドレナリンとコルチゾールの分泌抑制))免疫機能向上(エンドルフィンの分泌促進、ナチュラルキラー細胞の活性化) 2)肺内ガス交換の促進(十分な酸素の補給) 3)横隔膜運動の加速(消化を促進、コレステリン値の減少) 4)顔面筋肉を刺激(顔に若さをもたらす) RAD-AR News Vol.16, No.3 (Sep. 2005) ユ-モア医療の実際 ~スイス・テオドーラ財団の活動例~ そして初めて「クラウン・ドクター」の資格を得ることができ、その後も定期的に再訓練が行われている。この資格を得るにはそれなりの芸術的なセンスがあり、また児童心理をも理解し、実際の治療にあたる医師と児童患者との間の橋渡し役を担えることが求められている。 ユ-モアを介在して笑いをもたらすことは意外に高度の技術を要するものであり、それなりの特別な訓練、教育が必要とされている。また実際にそのような人為的なユ-モア活動を提供する場合には相手の心理状況をも十分に考慮する必要があり、誰にでもこのクラウン活動が無条件で受け入れられるとは限らないのです。 たとえば、子供と大人ではそのようなクラウン活動への認容度、受け入れ感はかなり異なるからである。 実際にこの「クラウン・ドクター」が定期的に訪問している小児病院では、短い時間のクラウン活動ではあるが、入院児童たちはその訪問を楽しみにしており、間接的な治療効果が得られている。筆者がこの財団の講演会で感銘を受けたことのうちのひとつであるが、昏睡状態にあるひとりの入院児童に対して、他の子供たちと同じように「クラウン・ドクター」が演技をみせ、その後この子供が昏睡状態から覚めたときに、目を輝かせて何を見たかを話し始めたとのことであった。 日本での活動 この財団の活動は笑いを通して極めて特異的な活動をしていることになる。日本でも実際の治療にこのユ-モアと笑いが導入され、医学的な成果が確認、報告され始めている。例えば、筑波大学での実験では、実験の当日、絶食していた2型糖尿病患者19名(平均年齢64歳)と、同様に絶食をしていた対照健常人5人(平均年齢54歳)が同じ食事を摂り、その後退屈な40分の講義を聞かされた。そして、その翌日、両グループは前日と同じ食事を摂ったあと、すぐに40分の漫才を聞かされ、当然そこでは大笑いの場面が続発した。 この実験で、両グループで食前と、講義あるいは漫才に参加した後の血糖レベルをそれぞれ測定したところ、笑いの後での血糖値がかなり低いことが判明した。つまり、この実験では笑いが血糖値を下げたことになる〔Diabetes Care 2003, 26(5), p.1651〕。 また、日本医科大学での実験では、学生が狭い高圧酸素室に入って、1時間経過するとナチュラルキラー細胞は2割以上低下した。ところがビデオ装着型眼鏡でお笑い番組を見ながらだと、逆に3割以上もナチュラルキラー細胞が上昇した。このことからも「笑いと免疫」が密接に関与していることが証明されている(新聞報道)。 医学雑誌に発表された類似研究・10 分間だけ笑うことにより強直性脊椎炎の激痛が緩和された例(N. Engl. J. Med. 1976, 295:1458) 笑いにより間接リウマチの痛みが緩和された例(J. Rheumatol. 1996, 23:793) 笑いによりアトピ-性皮膚炎での免疫反応が向上した例(JAMA 2001, 285(6), 738) gelotology に関した研究団体、雑誌 アメリカを中心とした国際ユ-モア研究学会 International Society for Humor Studies (ISHS)
アメリカユ-モア医療協会 American Association for Therapeutic Humor(AATH)
国際ユ-モア研究雑誌 International Journal of Humor Research(http://humor.ch) 副作用のない医療 このように笑いの医療への効用について、医学研究がなされればよいのですが、現在のような環境では誰もそのような研究、調査には関心がないのです。ともかく、このような検討がいろいろとなされれば、まさに副作用が皆無の医療にもなるのです。 このように理解すると、その逆に癌になる人は殆んど笑わないのです。つまり、癌になる要因はいろいとあり、また個人差もあり、一概に、こうすれば癌になりませんと解説することは困難なのですが、この笑いについて言えることは、癌患者になる人は笑いが全くないと言ことはいえるのです。つまり、「逆説の真実」になるのです。 いずれにしても、「笑いと医療」で検索するといろいろな情報がみられます。 いずれにしても、毎日、笑うということは健康によいのですが、現在の医学教育にはそのような観点はゼロなのです。前述のように私の昔のあだ名が「ゲラオさん」であり、したがって、いまでも人との会話の中でもよく笑うのです。おそらく、そのような影響もあるので、91才になっても健康であるのかもしれません。この記事はかなり前に書かれたのですが、現在、つまり2024年では私は93歳ですが、何らの問題もなく好きなことを毎日いろいろな形で書いています。 でも、実際に一人での生活をしていて話し相手がいないときには笑うことは一人ではできません、しかし、こんにちのようなスマホ社会ではスマホのYoutubeを見ることより、笑うことは出来るのです。ですから、老人ホムなどでもこのようなことを積極的に老人に見せて笑わせることをすべきなのです。 追記 (2024 Sept) 最近の記事に以下のような報告がありました。 認知症予防・介護リスク減に笑いの力、誰と一緒に笑うのが効果的? https://mxb.nikkei.com/?4_--_320570_--_154062_--_2 確かにひとりで笑うことは簡単ではなく、またなかなかできないのは分かりますが、せめて電話をすることにより笑うことは出来ると思います。つまり、誰かと話しながら努めて笑えるような会話をすることです。
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