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2018年2月16日 (金)

日本は医薬分業ではなく薬局分業

医薬分業ではなく薬局分業

 

未だに医薬分業の問題がいろいろな場面で議論されています。でもどうして、いつまでも医薬分業の話題が絶えないのでしょうか。

 

その大きな原因は、そもそも日本で医薬分業が正式に取り上げられた時に薬剤師会の対応が極めて消極的で、大ナタを振る事が出来なかったことに由来するのです。(この間の事情については拙著「薬社会への処方箋」1997に記述しています)

 

ともかく、現在の日本の薬局の状態を分類すると、以下のようになるかもしれません。もっとも、似たような形態もありますが、少なくとも表現としての薬局は実にいろいろなものがあり、素人にはそれらの区別を正しく認識することは難しいのではないでしょうか。

 

ともかく薬を取り扱う営業形態に使われている薬局関連の表現には以下のようないろいろな名称が使われているのです。

 

a) 門前薬局
b) 門内薬局、敷地内薬局
c) 調剤専門薬局 (一番問題なのは調剤だけしかやらず、しかも場所によっては昼休みがあったり、週末は閉店のこともあるのが問題です。)
d) 調剤薬局 (多くの薬局はこのような看板を掲げています)
e) 非調剤薬局 (このような看板は見られないが、現実には薬局と言う看板を掲げていても、処方箋調剤を引き受けない薬局もみられるのです)
f) 保険薬局
g)健康サポト薬局 (2016/10から発足)
h) ドラッグストア (処方薬以外での一般医薬品の多くを取り扱っていますが、一般的には顧客が自分で選ぶ方式のものが多く、薬剤師が常駐していることはまれな場合が結構多いようです)
i) 通販薬店 (最近はインタネットでも手に入れることが出来る医薬品が増えているのではないでしょうか)
j) 薬種商 (薬種商販売業、都会にはそのような形態の店は見当たらないようですが、地方に行けばいまだ存在するのではないでしょうか)

このほかにも「調剤をするドラッグストア」が最近は増えていることなのです。これは明らかに医薬分業のそもそもの理念が日本では無視されているので、その逆にドラックストアの中で調剤だけをするとが可能になっているからです。ですから、今後、このようなドラックストアがどんどん増えると今までのんびりとしていた調剤専門の薬局はどんどん消滅することになるのですが、このような異常ともいえる日本の医薬分業に関しては日本薬剤師会はただ傍観しているだけなのです。もしかしたら、今後はドラッグストアがますます増え、日本には薬局がなくなり、いたるところにドラックストアがみられるようになるのです。こんな国は欧米には存在しないのです。

このような状況では医薬分業の本来の姿はいまだ日本では見受けられないのです。医薬分業の歴史的発祥地でもある欧州の薬局では処方箋薬をはじめとして、すべての医薬品を取り扱っており、在庫が無い場合でも数時間以内に卸が薬局にとどけてくれるような体制になっていますので、日本の薬局のように「すみません、うちにはその薬は置いていませんので…」のような対応は絶対にありえないのです。

 

ましてや、薬局に薬剤師が留守にすることはまさに違法になるのです。日本のように薬局に薬剤師が留守にする時の対応などが考慮されることは全くないのです。

 

ですから、日本の医薬分業議論は医薬分業ではなく、「薬局分業」論なのです。

 

でも、逆にこのような薬局分業の発想をプラスと捉えて、「高齢者薬局」とか「薬局サロン」のような形態のものに発展させてはどうだろうか。

 

ただ、医薬分業がいろいろと議論された結果として、導入された「お薬手帳」は確実に使われていれば極めて有意義な制度なのです。特に、最近では多剤投与の問題が大きく取り上げられていますが、この「お薬手帳」を上手に利用、活用すれば多剤服用に起因する『多罪』服用を防ぐことが出来る筈です。

 

なお、この「お薬手帳」制度を海外に発信し、世界に広める運動をなぜ薬剤師会は取らないのでしょうか。日本の薬剤師会はいつも外国の制度を参考ばかりしていますが、時には日本初の立派な提案を世界薬剤師会議あたりに提言してはどうでしょうか。

 

 

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