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2018年1月 7日 (日)

薬局と動物(たとえば、カエル.)の関与

薬局と動物(たとえば、カエル.)の関与

薬局の歴史をたどると薬用植物が必ず出てきますし、いまだに漢方のように植物由来の医薬品が厳存します。もっとも、歴史的には植物以外の動物、鉱物なども以前にはある程度使われていましたが、現在ではそれらに由来する医薬品は殆ど存在しなくなっているようです。

特に広義の意味での動物が直接使われている例は通常の医薬品、特に西洋医学では皆無に近いのですが、歴史的に考察すると意外と我々が知らないこともあるのです。

例えば、犬があります。おそらく殆どの人は薬局と犬と、どんな関連性があるのだろうかと疑問に思う人もいる筈です。ところが、歴史的に見ると中世期欧州では犬が「歩く薬局」と称されていた時期があるのです。なにしろ犬はスイスやドイツでは昔は「歩く薬局」と呼ばれ、犬の肉はいろいろな病気に効くとされていたそうです。

そうなると蛇が薬用としていろいろと今でも中国、韓国、日本などで利用されているのとそれほど変わりないことになります。もっとも、現在ではそのような犬の利用は全く考えられず、ましてや犬食が存在する韓国や中国が非難される時代になっています。なお、この犬肉料理に関しては私のこのブログにも詳しく書かれてあります。

昔は日本でも馬肉は子供の寝小便に効果があるとか、馬油はヤケドに効くとかいわれ利用されていたのです。こうなると洋の東西を問わず、人間誰もが考えることは同じで、似たようなことがなされていたのが、時代とともに一部ではそのような慣習が廃れてしまっていると理解するのが正しいようです。勿論そこには近代薬学の進展に伴いいろいろな化学医薬品が登場し、そのような動物由来の医薬品は忘却の彼方に追いやらりてしまっています。

 したがって、そのような過去の歴史を知らない時代になっているのが現実なので、薬局とある種の動物が深く関連していたことなどはよほど詮索好きの人以外には完全に忘れられているのです。

 その一つの例として、蛙があります。

 日本でも薬局のシンボルとか、興和薬品の製品のシンボルとして蛙の絵や像が使われているのですが、それには歴史的な意味があるのです。もっとも、日本でこのカエルが薬局関係で使われたのはそのような歴史的ないみから使われたのでなく単なる語呂遊び的な感覚(ケロリと治る、のような)から使われたようです。

 1700年代にはドイツでは蛙そのものが薬局で扱われており、蛙の卵の塊から得られた油(oleum spermatis ranarum)が薬局で治療目的で売られていました。そのほかにも卵の塊から作られた貼り薬(emplastrum de spermate ranarum)も使われていました。このように当時の欧州ではそのような油などが薬として使われていたのです。でも考えてみれば日本でも「ガマの油」というものがありました。

Sperma, Ranarum, Froschlaich.

Das Froschlaich ist in vorigen Zeiten als ein vortrefflich kühlendes Mittel berühmt gewesen, und man machte davon das bekannte Froschlaichpflaster, emplastrum spermatis ranarum, welches, wenn der Laich mit gemeinem Oel abgekocht ist, vorzüglich wider die Verbrennung dienet, wo es die Schmerzen stillet, so es kalt übergelegt wird. Einige nehmen auch die ganzen Frösche, und drücken einen Saft daraus, welcher gleichfalls sehr kühlend seyn soll, doch der Thermometer wird an diesem Safte so wenig als an dem Laiche eine größere Kälte zeigen. Der Froschlaich kann blos zu klebrichten Pflastern und Salben genommen werden
[Joseph Jacob Plenck, Materia chirurgica oder Lehre von den Wirkungen der in der Wundarzeney gebräuchlichen Heilmittel, Wien 1777]


そのような歴史があるので、医薬品と蛙との結びつけをイラスト風に描いた絵を興和薬品が使うことは理に叶っているのですが、意外と日本ではそのような歴史的詮索がなされていないので、上記のような説明は日本語検索しても何処にも見当たりません。

ですから、ドイツとかスイスの薬局には現在でも蛙Froschが薬局の名前として使われている例(Frosch Apothek)がかなりあるのです。日本語にするとまさに「カエル薬局」になります。


その他にも、最近の報道によりますと、例えば、南米に生息する毒蛙から出されているいわゆる毒にはいろいろな薬理作用があり、"万能薬"とみなされる可能性が高く、いろいろな研究が進んでいるのです。(Welt N24, Gesundgheit Kambo, 25.10.2016)(https://www.welt.de/gesundheit/article158944039/Kambo-das-Wundermittel-aus-dem-Giftfrosch.html)

なお、参考までに記しますと、フランス料理には蛙が出てくるのです。しかし、スイスではそのような料理は禁止されています。

もっとも、周知のように薬局とかWHOなどの紋章などによく蛇の絵が使われていますが、これは古代ローマで疫病がはやったとき、 アスクレビオス、 ラテン語ではアイスクラビウス. Aescuーapius、 に祈ると、 この神は蛇に姿を変えて口一マを訪れ疫病を鎮めたという伝説があるそうです“. 蛇は脱皮を繰り返すことから蘇生の象徴とされ、 医神アスクレピオスも蛇が絡みついた杖を携えていたそうです。ですから蛇は病を治し、病人を蘇生させるという意味の蛇が薬局とか病院などのシンボルとして使われているとのことです。 ...

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