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2017年12月の記事

2017年12月18日 (月)

国籍法11条該当者への海外領事館の対応

国籍法11条該当者への海外領事館の対応

この問題は簡単なようで実際は複雑怪奇なのです。

この11条では自己の志望で外国籍を取得した場合には自動的に日本の国籍を失うことになっているのですが、その後の日本の国籍喪失、戸籍消滅に関する手続きについては、この条文には全く記載がないのです。その理由は、その時点で自動的に該当者は日本の国籍を失い、外国人になっているので、そのような日本の国籍のない外国人に日本のいろいろな手続きを要求することは出来ないからなのです。このことは東京法務局からの回答でも明瞭なのです。
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東京法務局でございます。
 お問い合わせいただいた件について回答させていただきます。
 あなた様の御意見・お考えについては,お聞かせいただきましたが,当局は,あなた様の御意見・お考えについて,それが正しいとか間違いとかいうことをお答えはしておりません。当局が御返答できるのは,行政庁としての当局が行っている事務の内容や法的手続になります。
 なお,日本国籍を喪失した者は既に外国人ですが,国籍喪失者本人が国内に居住する場合は,国籍喪失の届出義務があります。
 (連 絡 先)
 東京法務局民事行政部戸籍課
 〒102-8225 東京都千代田区九段南1丁目1番15号 九段第2合同庁舎8階
 TEL03-5213-1344  担当 斉藤 (平日9:00~17:45)
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つまり、11条該当者が国外に居住している場合には「国籍喪失届」の提出の義務はない、いゃ、実際はそのような該当者が日本に居住していないので「国籍喪失届」の提出義務はないと理解できるのです。

ところがこの条文の解釈に関しては世界各国にある日本の領事館は様々な解釈、対応をしているのです。それらの実例を箇条書きにしててみました。

➀ そのような“元日本人“が、所持している日本の旅券の延長に領事館に来た時に、担当者が柔軟な扱いをして、該当者の外国籍所持に関しては不問にして、自動的に日本の旅券の更新をしていることがあるのです。(正しくは、「あったのです」) もっとも、ここ十年くらいの間にはそのような柔軟な対応をしている領事館員はほぼいなくなりつつある。
現在では海外の領事館での対応はほぼ均一になっており、ほとんどすべての領事館の案内は同じで、該当者が国籍喪失届を出すように該当者に求めているのです。しかし、一部の大使館では全くそのような国籍法11条に関連した広報が全然ないところもあるのです。全く不思議な現象で、なぜそのような広報がなされていないのかは不明です。たとえば、コロンビアの日本大使館とかベネズエラの日本大使館のホムペイジには国籍11条該当者に関する記載はありません。

  【注: 過去にはこのような柔軟な取り扱い例が稀ではなかったが、外務省の法的解釈に従えば領事館の法不履行行為に抵触するのですが、実際にはそのような行為が海外公館でなされていることに関しては外務省は全く把握しておらず、また把握する関心も払われておらず、したがって、業務不履行で海外領事館が譴責を受けたこともない。】


② 地理的な問題から、該当者の近くにある隣国の日本領事館に出向いて旅券の更新をすることもあり、その場合には多くの場合、問題なく旅券の更新が可能になることもある。

  【注: このような例は極めて稀ではあるが、該当領事館にとっては該当者が外国籍を有しているかどうかの確認は困難であり、実際は無条件で更新業務がなされている。例えばスイスのイタリア語地区に居住している日本人が、旅券の有効期限が切れそうなので、遥か遠方のジュネブに行くよりもすぐ隣のイタリアのミラノの領事館に行って旅券の更新をすることが可能なのです。しかし、現実問題として、このような場合にはミラノの領事館は該当者の外国籍有無を確認する方法には関心がなく、該当者の言質に左右されるからです。もっとも、この場合には厳密には旅券法違反になる。】

③ そのような日本人が、日本に一時的に帰国して、日本で旅券の更新をすることも可能である。
  【注: この場合は厳密には旅券法違反になるのだが、日本の旅券関連事務所では該当者が外国籍を持っているかの確認は本人の申し出以外には確認できるすべがない。】

④ そのような該当者が領事館に行って旅券の更新を申請した時に、外国籍所持が判明し、日本の旅券更新が拒否され、「国籍喪失届」の記入求められることもある。この届で、最終的には該当者の戸籍が消される。

  【注: 多くの領事館はこの項に該当する行為を無意識に該当者に求めているが、これは明らかに法的な不当な行為であり、またなんらの法的な裏付けのない間違った行為なのである。
  ちなみに、海外の領事館の殆どが以下のような記述を広報してます。

日本国籍の喪失について
①国籍の喪失(国籍法第11条)
 日本国民は、自己の志望によって外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う。
②国籍喪失届の提出(戸籍法第103条)
 国籍喪失の届出は、届出事件の本人、配偶者又は4親等内の親族が、国籍喪失の事実を知った日から1箇月以内(届出をすべき者がその事実を知った日に国外に在るときは、その日から3箇月以内)に、これをしなければならない。

したがって、外務省自体もこのような対応を当然のこととしています。例えば以下のような回答があります。

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このたびは,外務省ホームページを御利用いただき,ありがとうございます。
御照会の件について,回答いたします。

政府において,日本国籍にかかる取扱いは,国籍法の定めるところによりなされており,国籍法の解釈をめぐり,同法を所管している法務省と外務省の見解に違いはありません。

自己の志望により外国の国籍を取得した方は,国籍法第11条に基づき日本国籍を喪失します。このような方については,戸籍を除籍する必要が生ずるため,戸籍法第103条第1項により,御本人,配偶者又は四親等内の親族が市区町村長に国籍喪失の届出をする必要があります。なお,戸籍法第40条により,その方が外国に在るときは,その国に駐在する日本の大使,公使又は領事に届け出ることができます。
戸籍法は外国に在る外国人には適用がないとされておりますが,この届出がされれば,御本人の戸籍に国籍喪失事項が記載され,国籍を喪失したことの証明(公証)となり,御本人が市区町村長に対して求めれば,国籍を喪失した事実が記載された戸籍謄本等の発給が受けられるようになります。我が国において,国籍喪失事項が公的に記載されるのは戸籍のみであり,ご自身の身分を安定させるためにも国籍喪失の届出は重要なものであることから,外国に在る日本国籍を喪失した方からの届出でも受理することができるとされています。

そこで,在外公館では,外国国籍をお持ちであることを認知した場合,それに気づいた時点で外国国籍取得の経緯をお伺いし,自己の志望によって外国国籍を取得したと考えられるときは国籍喪失届の案内を,自己の志望によって外国国籍を取得したものではないと考えられるときは,国籍選択の案内をしております。こうした御案内は,事務手続として該当する方々に等しく行っています。

なお,戸籍法では,戸籍の記載は届出に基づき行うことを原則とし(戸籍法第15条),身分変動等のあった者や一定の関係者に届出義務を課すことで戸籍の真実性を担保しようとしています。また,公的機関等から市区町村に対し通知をする際にも,その身分変動が生じた公的書面を添付しなければなりませんが,外国国籍を取得した際の帰化証明書や国籍取得証明書はその本人が所持しているものであることから,まず一次的には御本人等から届出を行っていただくことになるものと考えます。
 以上につきまして,御理解いただければ幸甚です。
平成30年2月  外務省領事局領事サービス室 戸籍国籍班
電話(03)3580−3311(内線3186)
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一方、この業務に関して外務省は
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外務省ホームページ「ご意見・ご感想コーナー」へお問い合わせいただいた件について,以下のとおり回答します。
国籍法第11条に該当する方やその配偶者又は四親等内の親族の方が海外にいる場合には,国籍喪失届を在外公館に提出することができることとされていますが(戸籍法第40条),これは,法律で定められていることであり,法律が改正されない限り,在外公館でこれを受けないこととすることはできません。
国籍法第11条の規定に基づき日本の国籍を喪失した方からの国籍喪失届に関しては,本年2月15日に回答したとおりです。
平成30年4月 外務省領事局領事サービス室 戸籍国籍班
電話03-3580-3311(内線3186)

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つまり、「国籍喪失届」を"在外公館に提出することが出来る"、との見解なのですが、では一体だれがその「国籍喪失届」の用紙を該当者に渡せるのかと言うことは記載がないのですが、現在の状況ではやはり海外領事館が該当者に渡すことを意味しているのです。このような記述「提出することが出来る」は「提出しなければならない」ではないのです。゜

しかしながら、きわめて対照的なのは上記に引用しましたように、東京法務局からの返答なのです。、
東京法務局の回答ではそのような対応、つまり海外での国籍喪失届の記入は在外日本人の場合にはあてはめられないことを返答しているのです。私はこの回答が正しいとは思うのですが、・・・・。

いずれにしても、海外領事館にそのような行為が間違いであることを周知させれていないのが現状である。従って、最悪なのは一部の領事館が国籍喪失届が提出されていない該当者に対して本来ならば法務大臣のみが出せる「催告書」を出していることなのです。

⑤ そのような該当者が領事館に行って旅券の更新を申請した時に、外国籍所持が判明し、日本の旅券更新が拒否され、外国籍取得時のデ-タが求められ、その結果(外国籍取得状況デ-タ)が該当者の市町村に伝達され、戸籍が消される。
  【注: これが正しい業務なのだが、該当者の外国籍取得デ-タを領事館がどのように確認し、そのデ-タが記録されているのかという書類が完備していなければならない。もっとも、このような場合でも、該当領事館は該当者に対して「国籍喪失届」の提出を求めているのです。その理由の一つに該当者の戸籍がわからないので、その目的のためにも国籍喪失届が必要なのですとの返答なのである。しかし、このような対応は領事館の身勝手なもので、この届を出さなくとも該当者の本籍地を聞き出せばすむことなのです。】

⑥ 一部の国、例えば、ドイツ、リヒテンシュタイン、は日本人が該当国の国籍を取得した場合には、その事実、デ-タが該当国の日本領事館に自動的に送付され、領事館は事務的にそのデ-タに基づき、該当者の市町村当局に送付され、該当者の戸籍が抹消される。 もっとも、このような場合でもこれらの領事館では11条該当者に国籍喪失届は戸籍を知る必要があるので提出を求めているとのことなのです。
  【注: この場合にはほぼ問題が無いのだが、厳密には該当外国当局は該当者がどのような理由で該当国の国籍を取得したかとの確認は記録されていないので、もし該当者が11条に記載されているような「自己の意志」で該当国の国籍を取得していなければ問題とはなるが、その確認は困難である。】
 
このように、国籍法11条該当の在外日本人が旅券の更新をする場合、状況によってその対応にはかなりの変動があり、また海外公館の多くは厳密には法律違反に該当する行為にもなっている。厳密には⑤項が正解なのだが、実にいろいろな間違った便法が存在し、肝心の法務当局はそれらの実情を正しく把握していないし、また把握する努力もしていないのが現実である。

もっとも、最近の海外公館は以下のように広報しています。
「戸籍法によれば、ある方が日本国籍を喪失した場合、本人、配偶者又は4親等内の親族が、その事実を知った日から1か月以内(届出をすべき方がその事実を知った日に国外に在るときは、その日から3か月以内)に、市区町村長(その方が外国に在るときは、その国に駐在する日本の大使、公使又は領事)に国籍喪失の届出をしなければならないこととされています。」
つまり、しなければならない、すなわち義務としているのです


ところで、最近になって問題視されている例の森友関連の新聞記事に次のよ記載がありました。 その記事のなかに、「官僚組織の末端が問題を起こした場合、内閣が国会への責任を負う規定」、「内閣は行政圏の行使について、国会にたいし連帯して責任を負ふ」と の記載なのです。

このことを国籍法11条に関して、外務省と法務省とのそれぞれの末端官庁間に異なった解釈、対策を取っていること自体、つまり末端の問題、に当てはめてみたのです。 このような連帯責任があるのだとすると、国籍法11条に関しての外務省と法務省との解釈の間には大きな違いがあるのです。つまり、国籍法11条対象者にはその時点で外国人になっているので日本の法律に基づく「国籍喪失届」は適用されないのですが(法務省の見解)、外務省の出先機関である領事館はほぼ世界各国共通のホムペイジにて国籍11条該当者に「国籍喪失届」を求めているのです。もっとも。「提出することが出来る」であって「提出しなければならない」ではないのです。このような微妙な違いを演繹すると、海外居住の11条該当者は必ずしも「国籍喪失届」の提出を海外領事館に出さなくともよい、と解釈できないのでしょうか。

このような対照的な違いはまさに「官僚組織の末端が問題を起こした場合、内閣が国会への責任を負う規定」、に該当するのではないでしょうか。

追記(2018 Oct)

なお、最近の海外領事館のホムペイジにこの問題に関した記載があるのですが、その表現に微妙な違いがあるのです。
その表現には「国籍を失います」との断定的な場合と、「失うとされています」との第三者的表現があるのです。
例えば、以下の国の領事館の記載例です。
ドイツの領事館
外国に帰化した場合等、自分の意思で外国国籍を取得した場合、自動的に日本国籍を「失います」。

スイスの領事館
外国に帰化した場合等、自分の意思で外国国籍を取得した場合、自動的に日本国籍を「失うとされています」。

英国の領事館
自動的に日本国籍を「失うとされています」

カナダの領事館
自己の志望により外国の国籍を取得したときには、日本国籍を「失うこととなります」ので、御注意下さい

オストラリアの領事館
これからオーストラリア国籍(市民権)を取得しようとしている方は、日本の国籍を「喪失することがあります」。

  

エコノミークラス症候群、 意外と知られていない機内の湿度

エコノミークラス症候群、 意外と知られていない機内の湿度

 

エコノミークラス症候群」という表題名の付いた論文が発表されたのは英国の医学雑誌Lancetに 1988年でした。その論文表題は“Air travel and thrombotic episode; the economy class syndrome"となっていました。( in Lancet Aug.27,497).

 

この論文に関心があった私が日本に通称「エコノミークラス症候群」を紹介したのは1991年に「エコノミークラス症候群、長時間飛行機旅行の落とし穴」として医薬ジャーナル誌(1991:27(10), 22482252)に発表したのが最初だと思います。その時にはこの症候群の記事が珍しかったので、その時の読売新聞に私へのインタビュ記事が載りました。

 

その後2000年前後からいろいろな研究論文が発表されるようになり、また、いろいろな機会に紹介されるようになり、今日では多くの人はこの症候群の名前を聞いたことがあると思います。とくに、長距離航空機旅行をする場合には注意が必要です。勿論、そのほかにもいろいろな状況下では航空機利用とは全く関係が無い場合でもこの症候群は発生することが知られています。

 

所が、最近気が付いたのですが、長距離飛行の機内では小型(50ml)のペットボトル入りの飲料水を食後に自動的に配布するだけで終わりで、なんらの忠告とか理由などの説明は一斉ない場合もあります。たまにある機内での注意ビデオも運動が主体で終わっています。つまり、なぜ長距離機内での水分の補給が必要なのかとの説明はほとんどないのです。もっとも、航空会社に言わせると、ちゃんとそのようなパンフレットを作って啓蒙していますとなるのですが、実際に機内に入ってそのようなパンフレットを見たことがありません。

 

私が周りの乗客の様子を見ると9-12時間の長距離飛行中にこの小型の飲料水を全部飲み干す人は極めて稀なのです。しかも、最悪なのはそのような乗客はワインやビ-ルなどをがぶ飲みして、食後にすぐに寝てしまうのです。この点に関してはこの症候群はエコノミークラス症候群というよりは「ビジネスクラス症候群」、あるいは「酔っ払い症候群」と改称する必要があるかもしれません。昔は機内でアテンダントが頻繁にコップ入りの飲料水などを配ったものなのですが、現在では乗客の睡眠を妨げるとの理由で、この種のサービスは廃止されてしまいました。

 

 このような状況はこの症候群発生予防という見地からは極めて危険なのですが、航空会社は時折運動のスポットビデオを流すだけでおしまいです。私の理解ではこの種の症候群の予防には適当量の水分の定期的な補充の方が運動よりも大切なのです。勿論、適度の運動も大切ですが、基本的に、適量の水分を頻繁に補充することの方がきわめて大事だと考えるのです。ともかく、長時間飛行の機内の湿度が10%以下に下がることは意外と多くの人は知らないのです。また、実際に長時間飛行の際に機内湿度がどのくらいの時間をかけて徐々に低下するのかという機内脱水・乾燥経過時間のデ-タは見たことがありません。私が簡単な湿度計を機内に持ち込んでの計測では数時間で10%前後にまで低下します。

 

そのような結果、長時間飛行の乗客のトイレに立つ回数が極減するのです。このような状態を例えると、夏の炎天下に水の補給なしに数時間太陽のもとで寝ているのと同じことなのです。いずれにしても、ロングフライトの機内でトイレに立たなくなったら危険信号です。ましてや、尿が濃厚な黄色のような場合には脱水現象が顕著になっているのです。ですから、そのような場合には空港に到着しても、絶対に走らないことです。もしかしたら小さな血栓ができているかも知れないからです。そのような状態で急に走ったりするとその血栓が血流にのり、肺栓塞を起こす可能性があるからです。

 

ちなみに、成田空港に近い成田赤十字病院(千葉県)の調査では、1994年から2016までに、エコノミークラス症候群で重症な患者108人が運ばれてきたという。そのうち女性は90人。比較的身長の低い女性は、いすに密着して血管が圧迫されやすいと考えられている。座席は、窓側の席が36人、真ん中の席が44人。飛行時間は平均10時間前後で、水を飲まずにそのまま寝てしまう人もいた。トイレに行った回数は平均1回で、一度も行かなかった人もいるという。

 

では一体、長時間飛行機内で体内からどれくらいの水分が失われるかということは、ある研究によると10時間のフライトで、男性は約2リットル、女性は約1.6リットルの水を失うそうです(体内水分の4%)ですから、米国航空宇宙医学会によると、飛行中は1時間につき約240mlの水を飲むべきだそうです。

 

私はいつも、欧州-日本の航空機旅行に際してアテンダントに質問するのですが、そのようなメガ低湿度の環境のことは意外と彼女たちは知らないのです。いや、教育されていないようです。地上一万メトル上空での空気の湿度はゼロに近く、そのような空気を少しずつ機内に取り入れているときには機内の湿度は数時間以内にカラカラになるのです。もっとも、最近の新鋭機種では機内の保湿装置が設置されていることが報道されています。なお、このエコノミー症候群にかんする記事が沢山サイトに見つかりますが、それらの殆どでは、なぜ機内の空気の湿度がそこまで下がるのかということは一切説明されていません。

 

そこで考えたのですが、湿度10%での環境下で、以下のような二群での比較試験をしてみてはどうかと思うのです。つまり、どちらの群の方が下肢静脈内の血栓発生率が高いかということを確かめるのです。

 

a)長く座りぱなしでも頻繁に、しかも定期的に水を飲み、運度は意識的には行わないグループ。
b)水の補給は最低限、あるいはのどが渇いた時のみで、長く座りながら、時折に足を動かすなどの運動を意識的にするグループ

 

現実にはこのような試験は非倫理的かも知れませんので、実施は困難かも知れません。しかし、現状を勘案したときには少なくとも長距離航空機旅行に際してはこの水分補給の重要性を機内運動よりも先に持ってくるべきだと思いますし、また航空会社もアテンダントにこの点に重点を置いた教育をしてほしいものです。

 

この症候群、最近(2012)はロングフライト症候群とも呼ばれるようになりましたが、長距離の海外飛行の経験の無い医師には意外とこの症候群は気がつかないようです。以下の記事はそのことを実証しています。
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_173081_212874_6

 

最近の成田空港

2017年12月11日 (月)

日系人って誰の事

日系人って誰の事

字引的には「日系人とは、日本以外の国に移住し当該国の国籍または永住権を取得した日本人、およびその子孫のこと」と定義され、現在約300万人以上存在すると推定されているそうです。日本に居住する日系人は約30万人存在するとも。

でもこの定義での外国の永住権を持っている日本人は毎年かなりの数で増えているのですが、一般的には海外での永住権を持っている人は理論的にはいまだ日本の国籍を持っているので日本人なのですが、そのような人も「日系人」の範疇に入るとは意外ではないでしょうか。さらに問題なのは「その子孫」の解釈なのです。

一般的な理解では日系人という表現は外国に帰化した元日本人とされていると考えられるのです。例えば南米に移民した日本人の子孫は日系人と扱われているからです。更に問題なのは「子孫」という解釈なのです。南米の日系人の場合には二世、三世までがその対象とされていたと思うのです。

そのいっぽう、「日系(nikkei)」という単語は、社会学者の多国籍グループによって考案されたもので、その範囲は世界中に住む当該国の国籍を持ち、かつ日本人の血を引く全ての人間を含んでいる」と説明されているので、前述の定義とはかなり異なります。

ここでも問題になるのは「かつ日本人の血を引く全ての人間」の解釈なのです。もし、父親が代々日本人の血を引いていれば日系人は永遠に続くことにもなるのです。そうなるとスペインの「ハポン」さん、は元々は日本人の子孫なのですが、もう何百年も経っているので日系人とは言わないと考えられるのです。そうなるとこの「日系人」という表現は年月的要素に影響されるので、精々二世か三世どまりになるのでしょうか。

このように理解すると、歴史的にはかっての平安京時代に当時の朝鮮からいろいろな技工が日本に来ていろいろな技術を日本にもたらした人たちの中には絹を織る技工もいて、そのような人には錦を織るひとという意味の「錦織」、ニシゴオリ、の姓が生まれたのです。でも、現在のテニスの錦織さんたちを朝鮮系日本人とは言いません。似たよう例はスペインに居る「ハポン」さん達です。

なお、スペインのハポンの姓の人々は、仙台藩主である伊達政宗が400年前にスペインに派遣した「慶長遣欧使節団」の子孫と言われ、慶長遣欧使節団の中には、日本に戻らなかったメンバーが約8名ほどおり、その子孫、末裔と言われる人達が現在、スペインに多数いるのです。このハポンさんはいまでも生まれたときには蒙古斑があるので日本人の血をひいているものと考えられます。でも、このハポンさんを日系スペイン人とは言いません。

このように考察すると単に「日系人」といってもその捉え方はいろいろあることになります。

ここで、なぜこのような考察をしたかと言いますと、最近のノ-ベル賞受賞者に関連して、米国籍のある日本人、日系英国人などの表現がマスコミで使われているのですが、ここで意味深長なのは医学関連のノ-ベル賞を受賞した日本人の中で受賞時には米国籍を自ら取得していた人もいるので、その時点で日本の国籍を失っているのですが、受賞時の新聞には決して日系米国人という表現は全然使われていなかったのですが、文学賞を受賞した石黒さんの場合には日系英国人と表記され、しかもその名前までカタカナ表記にされていたのです。

これほど差別的な表現を石黒さんに使ったのは何故なのでしょうか。おそらく、文学賞はそれほど重要ではないとの先入観があったのかもしれません。なぜならば今までの日本人へのノベル賞は科学の分野が主で、物理学、化学、生理学・医学の3分野が圧倒的だったからかもしれません。さらに、石黒さんは今までにその候補にすら載っていなかったし、村上春樹が受賞できるものとの期待があまりにも大きかったので、軽視されたのかもしれません。あるいは名もない小説家と軽くあしらわれたのかもしれません。

あるいは英国籍という初めてのことなので日系人という表現が使われたのかもしれません。しかしながら、その後になって、ノ-ベル賞の授賞式での記事には日系英国人の表現は消えて、「長崎生まれの英国人作家」「イシグロ」となっているのです。でもどうしてこれほどまでに区別しなければならないのでしょうか。イシグロさんも歴然とした日本人なのです。たまたま両親の関係で英国に移住して、のちに英国籍を取得しただけなのに。ちなみに、米国籍の日本人ノ-ベル賞受賞の名前は決してカタカナ表記にはなっていませんでした。米国籍の中村さん、利根川さんなどは米国籍を持っているのでカタカナ表記にしなければならないかもしれません。そうなると外国人と結婚している日本人女性はその名前はカタカナ表記にすべきなのかもしれません。

追記(2018 Feb)
ところが、最近の報道では日本政府は人口の減少に伴う労働者の不足を補う目的で、今度は南米の日系人四世を対象にして日本に出稼ぎに来られるような計画があるとのことです。でも、日系人と言っても四世、五世となったらもう完全に居住国のに人になっていると考えられるのですが、どうして日本政府はいまだに南米の日系人にこだわるのでしょうか。広い意味での日系人はアメリカ、欧州などにも大勢いるのですが、それらの国の日系人に対して、まさか日本に出稼ぎに来ませんか、とは言えません。その背景には日本に出稼ぎに来れるような人は南米しかないとも゛得ているのでしょうか。

法務省はブラジルやベル-などで暮らす日系四世の若者を日本で就労できるための新たな在留制度案を検討しているとのことですが、ここで疑問に思うのはなぜ南米からの日系人のみを対象にしているのかということです。
かって、日本のバブルの時期に労働力の確保のために南米からの日系人三世までを出稼ぎ労働者として呼び寄せ、その後の経緯は周知のように日本の経済状態の低下とともにそれら多くの出稼ぎ呼民はまた南米に逆戻りになっていました。しかし、今回はまた労働人口の減少という社会事態に対応するために前回の南米からの日系人の呼び寄せという前回の蒸し返しパタ-ンが実施されようとしているのです。しかし、このような発想はあくまでも一時的な労働人口補足のための一時的な目的以外での何ものでもないのです。

法務省はブラジルやベル-などで暮らす日系四世の若者を日本で就労できるための新たな在留制度案を検討しているとのことですが、ここで疑問に思うのはなぜ南米からの日系人のみを対象にしているのかということです。
かって、日本のバブルの時期に労働力の確保のために南米からの日系人三世までを出稼ぎ労働者として呼び寄せ、その後の経緯は周知のように日本の経済状態の低下とともにそれら多くの出稼ぎ呼民はまた南米に逆戻りになっていました。しかし、今回はまた労働人口の減少という社会事態に対応するために前回の南米からの日系人の呼び寄せという前回の蒸し返しパタ-ンが実施されようとしているのです。しかし、このような発想はあくまでも一時的な労働人口補足のための一時的な目的以外での何ものでもないのです。
このような発案の背景にあるのは全ての外国人を呼び寄せるより日本人の血を引いた日系人をとの概念がその根底にあるからなのです。つまり、日系人という概念に大きな意味があるのです。
それにしても、もしそのような血統を重視した日系人に限定するのなら、なぜ東南アジア、アメリカ、欧州などの日系人二世、三世などもその対象にしていないのでしょうか。その理由を考える前に理解しなくてはならないのは、現在の南米日系人は戦前、そして戦後間もなくの間接的な意味での”棄民政策”の一環として致し方かなく南米移民を政府が間接的に音頭を取って進めていたことを理解すべきなのです。

しかし、時代の経過とともに今度は再び日本での労働人口が減少しつつある今日の日本の社会状況を考慮して、再び南米日系人の出稼ぎ移民を、との心理的考察があるのですが、これほど南米移民日本人を軽視した発案はないのではないでしょうか。つまり、南米日系人四世はいまだに経済的に貧しい状況下にあるので、こちらから声を掛ければ日本にまた出稼ぎに来るものとの暗黙の理解があるのです。そのことは裏を返せばアメリカや欧州にいる日系人二世、三世、四世などに日本に出稼ぎに来ませんかとはとても言えないからです。
その一方、東南アジアには主として戦後直後の日本人男性と現地人女性との間に生まれた日系人二世、三世がかなり存在するのですが、戦後の混乱もあって、それらの日系二世や、三世は日本の国籍が与えられず、さらに家族的な問題もあって日系人としては取り扱われていないという社会的悲劇が介在するので、日本政府としてはそれら東南アジアに存在する潜在的な日系人の存在は全く考慮していないのです。おそらく今後もそのような対策は取らないでしょう。

今後もますます拍車がかかる日本国内での若年層人口の減少、高齢化社会の増大などともに日本での労働人口確保のためには根本的な移民政策が必要ではないだろうか。


このような発案の背景にあるのは全ての外国人を呼び寄せるより日本人の血を引いた日系人をとの概念がその根底にあるからなのです。つまり、日系人という概念に大きな意味があるのです。
それにしても、もしそのような血統を重視した日系人に限定するのなら、なぜ東南アジア、アメリカ、欧州などの日系人二世、三世などもその対象にしていないのでしょうか。その理由を考える前に理解しなくてはならないのは、現在の南米日系人は戦前、そして戦後間もなくの間接的な意味での”棄民政策”の一環として致し方かなく南米移民を政府が間接的に音頭を取って進めていたことを理解すべきなのです。

しかし、時代の経過とともに今度は再び日本での労働人口が減少しつつある今日の日本の社会状況を考慮して、再び南米日系人の出稼ぎ移民を、との心理的考察があるのですが、これほど南米移民日本人を軽視した発案はないのではないでしょうか。つまり、南米日系人四世はいまだに経済的に貧しい状況下にあるので、こちらから声を掛ければ日本にまた出稼ぎに来るものとの暗黙の理解があるのです。そのことは裏を返せばアメリカや欧州にいる日系人二世、三世、四世などに日本に出稼ぎに来ませんかとはとても言えないからです。

その一方、東南アジアには主として戦後直後の日本人男性と現地人女性との間に生まれた日系人二世、三世がかなり存在するのですが、戦後の混乱もあって、それらの日系二世や、三世は日本の国籍が与えられず、さらに家族的な問題もあって日系人としては取り扱われていないという社会的悲劇が介在するので、日本政府としてはそれら東南アジアに存在する潜在的な日系人の存在は全く考慮していないのです。おそらく今後もそのような対策は取らないでしょう。

今後もますます拍車がかかる日本国内での若年層人口の減少、高齢化社会の増大などともに日本での労働人口確保のためには根本的な移民政策が必要ではないだろうか。

このような日系人としての解釈はあまりにも変則的なものであり、心理的には南米日系人を侮辱しているとも考えられるのですが・・・・・。
さらに、別な視点から日系人のことを考えた時、東南アジアには日系人が沢山いるのですが、父親の日本人、特に戦後そこに残留した元日本兵、の家庭的な複雑性もあって、それらの人たちは日系人として認められてないのはどうしてなのでしょうか。あまりにも身勝手、そして非人間的ではないでしょうか。

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