日本人は「ニホンジン」なのです
日本人は「ニホンジン」なのです
私は長年、つまり人生の半分以上を海外で活動し、生活しています。当然のことながら日本の旅券が海外では唯一の日本人としての証拠になるのです。
しかし、海外で生活してる人の中にはいろいろな理由からその滞在国の国籍を取得する場合も当然考えられるのです。
ところが、現在の国籍法では何らかの理由で「自己の意志」で外国籍を取得した場合には「自動的に」日本人ではなくなるのです。つまり、そのような場合、海外でそのまま生活を続けていれば、日本の旅券の再延長は当然のことながら不可能にもなるのです。
ところが、そのような日本人でも人間的には日本人には変わりがなく、外観から判断されれば日本人そのものなのです。このことは当然で、いくら外国籍を取得して、外国人になっても顔や形、性格などは変えることは殆ど不可能なのです。ですから、その滞在国ではあくまでも日本人として捉えられるのです。
これと逆なことは日本に長年居住していて日本の国籍を取得している外国人の場合には第三者としての日本人から見れば、その人はあくまでも「外人」なのです。まさか胸に「私は日本人です」とのバッチを付ける事も出来ません。ですから、日本のような外国人差別の極めて強い所では、何らかの理由で、保安上の問題などがあった時には、外国人の顔をした「ニホンジン」は警察官に職務質問を受ける可能性が極めて高いのです。
つまり、いくら外国籍を取得して、戸籍上は外国人になっても日本人は「ニホンジン」なのです。その典型的な例は日本人科学者がノベル賞を取得した時の日本の新聞は、たとえその受賞者がアメリカ籍を持っていても当然のことのように日本人として報道するのです。例えば、ノベル物理賞を受賞した三人のひとり、南部陽一郎さんについては彼はアメリカ国籍を持っていて、日本人ではないのにも関わらず、「日本人」と報道しているのです。中にはわざわざ「米国籍の日本人」と表記している新聞もあったのです。
でも、このようなことは海外ではまず起こらない。その時の国籍により、日本人でもドイツ人となったり、イタリア人ともなり得るのです。しかし、そのような人が日本の新聞種になると日本人とい扱われてしまうことが多いのです。もっとも、そのような場合でも、外見上からはやはり日本人に見なされるのです。
つまり、日本人は海外ではいくら外国籍を取得しても「ニホンジン」であることには変わりがなく、その該当国の人からは「ニホンジン」として外国人扱いになるのです。
なお、この「ニホンジン」であるがゆえに最大の被害を経験したのが第二次大戦中のアメリカ居住の日系人なのです。彼らは米国籍を持つた人であったにも関わらず、「ニホンジン」であるとして区別され隔離されてしまったのです。つまり、「米国籍の日本人」であり、「ニホンジン」であったが故の悲劇に見舞われたのです。それにしても「米国籍の日本人」と書くような能天気な新聞記者がいる限り、将来もまた「ニホンジン」としての悲劇がどこかで起こるかもしれません。
ちなみに数年前に日本人男性とフィリッピン女性の間に生まれた子供に日本国籍が与えられた最高裁の判断に、、両親が結婚していなくとも日本国籍を与えるべきとの判決がなされましたが、この判決で「血統」重視が挙げられていました。つまり、日本の国籍概念は血統主義で、アメリカのような出生地主義ではないことが大きな判断の一つになっていました。
この最高裁の判断を演繹すると、本来の日本人がたとえ外国国籍を取得しても血統的には日本人であることには変わりがないので、現在の国籍法11条に基づいて日本の国籍をはく奪された日本人は「外国籍の日本人」になるのです。でも、もし血統主義が国籍に決定的な影響を与えているならば「外国籍の日本人」は違憲になるのかもしれません。
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