国際司法裁判所(ICJ)の判決
南シナ海の領海を巡って中国が国際司法裁判所の判決を無視して、サンゴ礁の上に滑走路を造ったりしていることにたいして、日本は抗議をしています。確かに国際的な見地から見れば、中国はこの判決を受け入れるべきなのですが、肝心の日本が似たような国際司法裁判所の判決を無視していることは意外とメディアは伝えていません。中国に対してはその判決を尊重し、それに従うべきだと強硬に中国に対して求めていますが、その一方で日本は同じ裁判所の判決を無視しているのです。
つまり、南極海でのいわゆる調査捕鯨は調査目的ではなく違法であるという2014年3月の国際司法裁判所(ICJ)の判決にもかかわらず、日本は捕殺せずに非致死的調査を求める国際的な世論を無視しているのです。
いまのところ中国はこの点には全然触れていませんが、もし国際的にこの矛盾点が指摘されれば日本の面目は丸つぶれになるのですが・・・・。
日本の捕鯨に関する判決について、もし日本政府がわれわれも国際司法裁判所の判決を尊重し、従いますので、中国も同じように従うべきですと国際的に声明、行動すれば中国はなんとも言えないかもしれません。しかし、現在のままでは日本も自分の好きなようにしているから、お互い様ですよ、と中国からいまだ言われていないのがせめてもの慰めかもしれません。
いずれにせよ、もし日本が中国の南シナ海の覇権問題で、クジラを犠牲にして、中国に国際司法裁判所の判決受託を申し入れれば何らかのポジティブ効果が見られたかもしれないのですが、日本政府はクジラを優先し、国際司法裁判所の判決を中国と同じように無視しているのです。しかも、このことに関して日本のメデイアはいっさいその関連性を報じていないのです。
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