首相の無知、無能発言集
首相の無知、無能発言集
日本の首相が特に海外でいろいろな発言をしているときには国内での発言以上に神経を使い、またその発言内容・表現にも十分な注意が必要なのですが,いくら注意していても肝心の本人にその発言に関する知識、能力が欠けている場合にはどうしようもなく、残念ながら海外での笑いものになってしまいます。
このような発言を新聞から拾ってみました。
その①
阿部首相が国連総会での記者会見で、シリアの難民問題に関して日本もシリア難民を引き受けるのかということについての外国人記者からの質問に対して、「人口問題として申し上げれば、われわれは移民を受け入れるよりも前にやるべきことがあり、それは女性や高齢者の活躍であり、出生率を上げていくにはまだまだ打つ手がある」と答えていて、記者の顰蹙を買ったとのことでした。つまり、移民と避難民とを同じことと考えていたのです。確かに、ドイツが避難民を一年間で百万人以上をも受け入れているのに対して、日本は今までにたったの11人だけなので、日本の政治家には避難民の意味が理解されていないのでしょう。
それにしても日本人は避難民に関しての知識、関心は皆無に近いと言っても過言ではないでしょうか。したがって、避難民に対する同情についてはまるで他人のことのようにしか考えていない人が大半なのです。
仮に、北朝鮮がもし政情不安になれば北朝鮮からの避難民が日本海を越えて日本に殺到する可能性があるのですが、そのようなシナリオは誰も考慮していないのです。
なお、日本人が従来理解していた移民はemigration、つまり日本から海外に移住することを念頭においたもので
あり、その典型例は南米への移民でした。しかし、その逆に日本にやってくる移民はimmigrationのことであり、しいて日本語に訳すと呼民になるのかもしれません。もっとも、そのような違いを認識している日本人は殆ど皆無であり、全てが移民でひょうげんされているのです。
その②
日本人の英語にかんする知識はあまりよくは無く、多少の間違いがあっても日本人同士だったらその間違えを笑いものにするようなことは殆どありませんが、これが海外、しかも公式の場で明らかな間違えをしたらその内容によっては笑いものにされてしまう可能性があります。
例えば、森元首相がはじめてアメリカを訪問し、当時のクリントン大統領との会見のときに、側近がはじめての会見であるので、せめて最初の挨拶ぐらいは英語で交わし、それ以降は私たちが通訳しますからと前置きし、最初に「How are you ?」と発言するとクリントン大統領は「I am fine, and you ?」と答えるので、そのときには「Me, too」と返事してください、そしてその後は私たちが通訳しますから、と教えられて日本を出発したのですが、いざ本番となったときには森さんは「How are you ?」と言うところを「 Who are you ?」と言ってしまい、相手のクリントンさんからは「 I am Clinton.」との返事が返ってきたのですが,その返事に森さんが 「 Me,too」と答えてしまったとのことです。これなどはまさに笑えぬ悲劇です。
なお、森元首相に関連した発言には似たようないい加減差があるようです。例えば、新国立競技場の計画に関連して、大会組織委員長である森さんが、問題撤回前には3,4千億円かけても良いと語っていたのが、この計画がご破算になっても、誰も森さんのこのような過去の無責任発言を問題視していないのはやはり日本独特のまあまあ社会なのでしょうか。
その③
かっての佐藤栄作首相が日米繊維摩擦問題で日米首脳会談で「善処します」と発言したことに対する英語訳がI will do my best.と訳されていたのですが、日本語の感覚と英語の感覚とではまさに月とスッポンの違いがあるのです。日本語での「善処します」はまさに政治家流発言であり、前向きの態度と見せかけて、何もしない極めて便利な表現なのです。もっとも、最近の政治家はこの「善処します」の表面上の肯定的表現から、もっと端的に「知りません」「言っていません」などの完全否定型に移行しているのはどうしてなのでしょうか。
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