避難民に無情、無関心な日本
避難民に無情、無関心な日本
一月末の報道に「シリアを逃れた男性、家族と再会」の記事がありましたが、このような例は日本では極めて例外なのです。つまり、日本に来る避難民そのものが極めて稀であるし、そのことが新聞記事になることはごく例外なのです。ところが欧州では毎日のように押し寄せる避難民問題で大変なのですが、各国が協力してそれらの避難民の受け入れに大童なのです。
ところが日本のマスコミにはそのような欧州での避難民の現状、そして欧州各国の避難民受け入れ態勢についてほとんど報道していないのはナゼなのでしょうか。そこには避難民なんていうのは日本には全く関係のない話題なので報道する価値が無いからです。でも本当にそうなのでしょうか。例えば、北朝鮮や中国共産党政権が崩壊したらどうなるのでしょうか。それこそ日本にゴマンという避難民が押し寄せてくる可能性があるのですが、そのような可能性には全く関心が無いのです。
どうしてシリア難民は難民として扱われないのでしょうか。シリア難民支援に巨額の資金を提供してもわが国にはシリア難民を受け入れませんでは、あまりも虫が良すぎるのではないでしょうか。その根底には何でも金で済まし、面倒なことは引き受けませんよ、という意図がありありなのです。でも、イタリアなどに押し寄せてくる難民がもし日本にも波及したらどのような状態に状態になるのでしょうか。
難民条約では『人種、宗教、国籍、特定の社会的集団の構成員、政治的意見』を理由に迫害を受ける恐れがある人々を難民と定義しているので、「戦争、天災、貧困、飢餓、などから逃れた人はこの条約の対象にはならない」と日本の行政は厳密に定義し、杓子定規に実行しているのです。
しかし、現在の欧州で社会問題となっている北アフリカ、中東からの避難民はこの難民条約に該当するわけではないのですが、欧州全体が協力して受け入れに努力しているのです。でも、実際には内政問題からその国、地域が戦争状態になれば当然の結果として難民が発生するのです。
毎日のように北アフリカから満員の小船に乗りながらイタリアに避難してくる人たちは日本の行政官によると難民扱いはされないのです。つまり、これらの難民は上記の難民条約には該当する人々ではないのですが、難民と同じように扱われ、欧州各国が協力してそれぞれ分担、引き受けているのです。
例えば、仮に北朝鮮が内乱状態になって北朝鮮からの難民が小船に乗ってむ日本海側の海岸に押し寄せてきたら彼らは難民条約に規定されている難民には該当しないのでしょうか。このようなことが起こりえるる可能性は全くゼロではないので、日本政府はこの際真剣に難民対策を別な視点から考慮する必要があるのではないでしょうか。
追記 (2015 Dec)
最近の報道によると漫画家の作品「『そうだ難民しょう』蓮見敏子の世界」が偽装難民を揶揄した作品として非難されています。そこには「何の苦労もなく、生きたいように生きていきたい、他人の金で。そうだ難民しよう」と書かれてあるとのことです。もしこの作者が本当にそう思っているのなら本人が率先して難民になれば他人の金でのほほんと生活することを実行するべきなのです。この作者は欧州の難民の実態を全然知らないからそのようなことを平気で書いているのです。
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